...引きちがえて入り来る西洋人のたけ低く顔のたけも著しく短きが赤き顔にこればかり立派なる鬚(ひげ)ひねりながら煙草を人力(じんりき)に買わせて向側のプラットフォームに腰をかけ煙草取り出して鬚をかい上ぐるなどあまり上等社会にもあらざるべし...
寺田寅彦 「東上記」
...さうしますと母が其では國府田さんにしてあげたらよからうと申しますのでして見ましたのでございますがお氣に召しますかどうかお尋ねしてからと思ひまして此所へ出して置きましたのでございます」といつてランプを机へもどして蚊帳の釣手を一隅外してその射干の花を掛物の側へ置いた...
長塚節 「開業醫」
...また此方(こちら)側へ戻って来て...
夏目漱石 「明暗」
...討幕主張者側、すなわち朝廷側には、郡県制をはじめるために、幕府の倒壊を主張したものなどは、一人もいなかつた...
蜷川新 「天皇」
...東側の家に入って行くと...
野上豊一郎 「シェイクスピアの郷里」
...泥水の中に潜つたことだらう」「――」「鞘は自害をする前に縁側に放(はふ)つた...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...ツイ側(そば)に住んでゐるといふことでした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「人間の眼といふものは不都合なもので、自分の背の高さしか行き屆かないものらしいな」「何を言ふんです、親分」「あれを見るが宜い、此方は陽が當つて高いから、向うから見えないのも無理はないが」平次はさう言つて、物干の北側、物置の蔭のあたりを指すのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...貞子夫人の姉たき子は紳商益田孝(ますだたかし)男爵の側室である...
長谷川時雨 「明治美人伝」
...それは僕のなかを突抜けて向側へ翻(ひるがえ)って行く...
原民喜 「鎮魂歌」
...どんな科(とが)であんなえれえ目にあっていなすったけえ」「あたしは本性院様というお局の側仕えで八重というものですが...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...片側にアザレヤがずらり並んでおり...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「くちなしの花」
...その向ひ側が祭りの村だつた...
牧野信一 「熱い風」
...その中軸の両側に互生して二列に相并(なら)ぶものは...
牧野富太郎 「植物記」
...兵隊が側で聞いてゐたぞ...
コロレンコ Vladimir Galaktionovick Korolenko 森林太郎訳 「樺太脱獄記」
...四人づれの矢代らは両側に裂かれてそれぞれ通っていった...
横光利一 「旅愁」
...ここに」と、十五、六の順礼娘が、「分りましたか」と、側へ駈けてきた...
吉川英治 「無宿人国記」
...第一あそこは丁度森の切れた両側は一面の展(ひら)けた田圃(たんぼ)ですし...
蘭郁二郎 「穴」
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