...他の今一つの唐櫃こそは、長へに失はれて全く行く所を知らないのであるが、何かの機會(はずみ)に、何かの僥倖で、せめて其銘文の拓本でも手に入れるやうなことがあり得たならば、我々の史的研究、ことに東大寺の研究に對して一大光明となるであらう...
會津八一 「拓本の話」
...僥倖なりきとも思ひなしぬ...
大槻文彦 「ことばのうみのおくがき」
...農民の貧窮から低賃金を僥倖しようというものであって...
戸坂潤 「現代日本の思想対立」
...「全く僥倖でありまして」などといって謙遜して見せる礼儀はあまり流行らないように思われる...
中谷宇吉郎 「英国の物理学界と物理学者」
...変に射倖的(しゃこうてき)な迷信を煽(あお)って...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...僥倖中の僥倖というようなものであった...
久生十蘭 「海難記」
...リルケが「ぽるとがる文(ぶみ)」などと共に愛していた十六世紀のリヨンびとルイズ・ラベという薄倖の女詩人のかわいらしい詩集を見つけて...
堀辰雄 「大和路・信濃路」
...まだ倖(しあわ)せではございませぬか」「そうは...
吉川英治 「私本太平記」
...信長は僥倖(ぎょうこう)とはしているが...
吉川英治 「新書太閤記」
...倖せじゃよ」かれの左右の若者ばらは...
吉川英治 「新書太閤記」
...お目にかかれてうれしゅうございます」「てまえこそ、近頃の倖せ...
吉川英治 「新・水滸伝」
...怖ろしいあの夜の出来ごと――倖(さいわ)いに...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...倖(しあわ)せだなあ...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...すっかり面食(めんく)らってしまった」「でも気がつかなかったから倖(しあわ)せさ」「付かれて堪(たま)ったもンじゃねえ」「やっぱり悪いことはできないものかね」「河豚(ふぐ)の味と間男(まおとこ)の味...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...どうしたらお倖せになって行かれるかという事じゃないか...
吉川英治 「源頼朝」
...倖せではあるまいが」「そう聞けば聞くほど...
吉川英治 「宮本武蔵」
...……この豊前へ来て、一時は、馬の草鞋(わらじ)など作って、露命をつないでいたものじゃが、その後、倖せあって、当細川家の先殿様(せんとのさま)、三斎公のお見出しに預り、今では当藩にみな御奉公いたしておる身じゃ」「さてさて、左様でござりましたか...
吉川英治 「宮本武蔵」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??