...左近の俗名(ぞくみょう)は洩(も)らさずにいた...
芥川龍之介 「或敵打の話」
...意外にも左近と平太郎との俗名を記した位牌(いはい)があった...
芥川龍之介 「或敵打の話」
...これは、俗名と戒名と、現當過去、未來、志す處の差によつて、おもひ/\に其の姓氏佛號を記すのであらう...
泉鏡花 「遺稿」
...日野家之墓と大きく彫られてその側面には戒名(かいみょう)の下に正しく俗名日野涼子何年何月歿享年二十九歳と彫られてあるのが透し見られた...
橘外男 「逗子物語」
...俗名日野帳三昭和何年何月何日歿享年二十七歳とちょうど今から五年くらい前に亡った人の名が透かされるのが...
橘外男 「逗子物語」
...表面に真誉琴台正道信士と刻し裏面に俗名温井佐助...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...「俗名机竜之助霊位」「おや――」――お雪はついに声をあげて叫びました...
中里介山 「大菩薩峠」
...こいつはをかしいぞ」平次は横手へ廻つて俗名を讀むと...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...俗名だけしかない...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...筋市 その俗名の男を出すんだ...
長谷川伸 「一本刀土俵入 二幕五場」
...求道浄欣信士俗名河内山宗春文政六年七月廿二日宗俊の本名は近世実録全書所載の稗史小説と同じく「宗春」であると見える...
正岡容 「下谷練塀小路」
...俗名ブタの子が猪...
南方熊楠 「十二支考」
...訳士俗名彭城仁左衛門宣義...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...俗名於芳」と書してある...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...前者には、「延譽壽阿彌、俗名五郎作、文政五年壬午十月於淺草日輪寺出家」と記してあり、後者は「光譽壽阿彌陀佛、十一代目五郎作、實(じつは)江間利右衞門男、文政五年壬午十月於日輪寺出家」と記してある...
森鴎外 「壽阿彌の手紙」
...それは「覺譽泰了(たいれう)居士、明和六年己丑(きちう)七月、遠州舞坂人、江間小兵衞三男、俗名利右衞門、九代目五郎作實祖父、葬于淺草光照院(あさくさくわうせうゐんにはうむる)」と、「四日」の下に記してある泰了である...
森鴎外 「壽阿彌の手紙」
...それがいい」(F・O)一夜の中に父を失い独りぼっちの雪枝の家へ日下部典六が訪れて来たのはその翌る日の事=(F・I)嘉助の家(夜)俗名物部嘉助の位牌の前...
山中貞雄 「中村仲蔵」
...今朝からは俗名の藤井元彦(もとひこ)と呼ばれることになったのである...
吉川英治 「親鸞」
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