...俊才、嚢中の錐の如き彼は、直に部将井上九郎光盛をして赤旗を立てて前ましめ、彼自らは河を済り、戦鼓をうつて戦を挑み、平軍の彼が陣を衝かむとするに乗じて光盛等をして、赤旗を倒して白旗を飜し、急に敵軍を夾撃せしめて大に勝ち、遂に長茂をして越後に走らしめたり...
芥川龍之介 「木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)」
...勿体(もったい)ない程の俊才だった...
江戸川乱歩 「心理試験」
...自分のたいした俊才でもないことが明らかに知れ...
丘浅次郎 「生物学的の見方」
...それがために俊才は文字を覚えまたこれを使うのに非常に頭を労するので文明が自然停滞するようになったという学者もあるのでありますが...
高楠順次郎 「東洋文化史における仏教の地位」
...室町時代前後には彫刻の俊才が皆能面打になってしまったような気さえする...
高村光太郎 「本邦肖像彫刻技法の推移」
...これは當時のユウモア小説の俊才...
太宰治 「『玩具』あとがき」
...この支那文学の俊才が...
太宰治 「惜別」
...駐仏大使館二等書記官までも勤めた俊才が...
橘外男 「仁王門」
...年若い俊才(しゅんさい)をすべて歓迎すると言っていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...鐘捲流の鐘捲自斎などの俊才が出たが中でも鐘捲自斎が傑(すぐ)れていたらしく...
直木三十五 「巌流島」
...あったら俊才を、惜しいことしてのけるのう」と、牧の顔を見ながら立上った...
直木三十五 「南国太平記」
...後進の俊才に待つこと日に日に切なるを覚えて止(や)まなかつたので...
永井荷風 「来訪者」
...「此の華やかな俊才の蝕(むしば)まれた肉体は...
中島敦 「光と風と夢」
...警視庁切っての俊才...
久生十蘭 「魔都」
...門下の俊才が入(い)って後(のち)を襲った...
森鴎外 「渋江抽斎」
...けれどもその「俊才」とか「出色」という定評は...
山本周五郎 「新潮記」
...「蜀にはこんな俊才が何人もおるのかしら」と...
吉川英治 「三国志」
...孔明門第一の俊才たることは自他ともにゆるす程になってきたので...
吉川英治 「三国志」
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