...フォームは俄かに色めいた...
石川啄木 「鳥影」
...俄かに醉ひが發して來た...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...しかし街はこのために俄かに厳重な警戒が敷かれ...
海野十三 「鍵から抜け出した女」
...俄かに口がきけないらしく唇をぶるぶる慄(ふる)わせながら後に隠していた花束を前に出した...
海野十三 「地球発狂事件」
...大奥様は文夫様と聞いて始めて俄かにお強くおなりになりました...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「蛇性の執念」
...私への挨拶もそこそこに俄かに忙しそうにして中庭の出入口の方へ...
「草藪」
...俄かにざあざあと降る雨の音が聞えてきた...
田中貢太郎 「続黄梁」
...溪聲俄かに前に高く...
田山花袋 「秋の岐蘇路」
...またしても俄かに彼の相貌は一變してしまい...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...どうせ成上りの俄か同心...
久生十蘭 「平賀源内捕物帳」
...俄かに立ちあがって...
久生十蘭 「ボニン島物語」
...広島へ帰って来ようか知らん?」俄かに...
火野葦平 「花と龍」
...俄かに崩落すること...
藤野古白 藤井英男訳 「人柱築島由来」
...馬車は俄かに駆け出した...
水野葉舟 「遠野へ」
...ジヨバンニは俄かに顏いろがよくなつて威勢よくおじぎをすると...
宮沢賢治 「銀河鐵道の夜」
...俄かに赤旗をおろしてうしろにかくすやうにし...
宮沢賢治 「銀河鐵道の夜」
...」カムパネルラは俄かに窓の遠くに見えるきれいな野原を指さして叫びました...
宮沢賢治 「銀河鐵道の夜」
...勝家は、甥が、熱意を燃やして云っている間は、危ぶんでいたが、口をとじて、戦図に静思している体を見ると、俄かに、頼もしさを覚えて来たものか、「よかろう」遂に、自身の分別に断を下して、玄蕃允の方へこういった...
吉川英治 「新書太閤記」
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