...俄かに心臟の血がワクワクするのを覺えた...
石川三四郎 「浪」
...俄かにそれを閉ぢて以前の書(ほん)の間に重ねた...
石川啄木 「鳥影」
...天日は俄かに暗くなった...
海野十三 「空襲葬送曲」
...僕は忘れていたことを突然想い出して俄かに不安の念に駆られた...
海野十三 「深夜の市長」
...一座は俄かに緊張の空気に圧(お)されて息ぐるしくなりました...
海野十三 「赤耀館事件の真相」
...すると俄かに彼は...
海野十三 「地球盗難」
...ややあって俄かに身づくろいを直し...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...お道さんが行つたあとは俄かに淋しくなつた...
高浜虚子 「斑鳩物語」
...すると、彼女は、この私の説を逆証すべく、俄かに努力した...
谷譲次 「踊る地平線」
...面(おも)は俄かの*夜の如く...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...カテリーナ・フェドセーヴナはにこやかに席を起って、ピアノのほうへ歩を運んだが、俄かにこれも、われながら思いもかけず、さっと耳の根まで紅くなってしまった...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...そしたらさっきから仕度ができてめづらしさうにこの新らしい農夫の近くに立ってそのやうすを見てゐた子供の百姓が俄かにくすりと笑ひました...
宮沢賢治 「耕耘部の時計」
...この行為を終へると俄かに恐ろしくなつて来た...
村山槐多 「悪魔の舌」
...雨、雨、俄かなる雨、風さへも荒く添へり...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集拾遺」
...階下の駅の構内で俄かに人の往来の騒がしいのを感じたが...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...かう俄かに目を醒まして...
ピエル・ロチ Pierre Loti 吉江喬松訳 「氷島の漁夫」
...俄かに上ッ調子になって来たのか...
吉川英治 「剣難女難」
...領主と仰いでいたものから俄かに離れて...
吉川英治 「新書太閤記」
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