...この県下に第一ならば全国の英雄が集まる東京に出るとも第二流には落つまじと俄かに気強くなりて...
饗庭篁村 「良夜」
...俄かに心臟の血がワクワクするのを覺えた...
石川三四郎 「浪」
...渠の俄かに寂しく...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...お鳥のゐるのを見て俄かに荒々しい調子をやはらげて...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...俄かに人の立ち騒ぐ声が聞えた...
海野十三 「恐怖の口笛」
...母の懐(ふところ)のようになつかしい電灯の光を浴びて俄かに元気をとりかえしたのだった...
海野十三 「空襲葬送曲」
...それが俄かに気懸りになった...
海野十三 「三人の双生児」
...俄かに門前が騒々しくなって...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「美人鷹匠」
...将軍家俄かに永福寺に御出...
太宰治 「右大臣実朝」
...俄かに雨が降つて来たのとで...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のをんな」
...「そうなんです」とパーヴェル・パーヴロヴィチは俄かにひどくおどおどしだした...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...今や俄かに傲然と膨れ返らねばならぬ...
中島敦 「盈虚」
...広島へ帰って来ようか知らん?」俄かに...
火野葦平 「花と龍」
...俄かに齷齪とし始め...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...俄かに追い詰められた野獣のような眼になって腰を浮かしながら狂的に室内を見廻したが...
牧逸馬 「双面獣」
...俄かにその子供が頭を引つ込めて...
宮沢賢治 「銀河鐵道の夜」
...俄かに赤旗をおろしてうしろにかくすやうにし...
宮沢賢治 「銀河鐵道の夜」
...法衣(ころも)を着てまいります」「俄か坊主か...
吉川英治 「私本太平記」
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