...思はずこの世のくらしの侘びしさに身ぶるひをする...
太宰治 「音について」
...私には侘しさを怺える力が無かった...
太宰治 「東京八景」
...そこも亀裂(ひび)の入った黄(きい)ろな壁土(かべつち)が侘(わび)しそうに見えるばかりで...
田中貢太郎 「指環」
...侘助椿(わびすけつばき)に活けかえようと思って行ったら...
谷崎潤一郎 「鍵」
...かれも泣きたいほど侘(わび)しくなった...
田山花袋 「蒲団」
...しかし随分思い切って侘(わび)しげな住まいであった...
寺田寅彦 「中村彝氏の追憶」
...時のジャアナリズムから見棄(みす)てられた侘(わび)しさも...
徳田秋声 「仮装人物」
...それも一羽は一月前に死んだ後を独り侘(わび)しく暮らしていた哀れな雄の方が...
徳田秋声 「仮装人物」
...街燈はさも侘しげに空しくまたたいていた...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...この室(へや)は少し寒いねえ」と中野君は侘(わび)し気(げ)に四方(あたり)を見廻した...
夏目漱石 「野分」
...冬の物侘しい子守唄の情緒がある...
萩原朔太郎 「冬の情緒」
...お釈迦様!あんまりつれないではござりませぬか蜂(はち)の巣のようにこわれた私の心臓の中にお釈迦様ナムアミダブツの無常を悟すのが能でもありますまいにその男振りで炎のような私の胸に飛びこんで下さりませ俗世に汚れたこの女の首を死ぬ程抱きしめて下さりませナムアミダブツのお釈迦様!妙に侘しい日だ...
林芙美子 「新版 放浪記」
...私には何だか小店に曝(さら)された茄子(なす)のようで侘しかった...
林芙美子 「新版 放浪記」
...「こんなに雨が降るのに行くの?」たい子さんは侘しそうに...
林芙美子 「新版 放浪記」
...侘人(わびびと)の住家(すみか)...
樋口一葉 「あきあはせ」
...田舎の侘住(わびずま)いも...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...変に侘びしい歌六の高座よ!まったく今の寄席へ行って...
正岡容 「随筆 寄席風俗」
...侘(わび)しく浪人暮しをいたしておりまするが...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
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