...名宛人(なあてにん)も初めから終りまで例外なく同一人物であった...
江戸川乱歩 「悪霊」
...憩(いこ)える帆は、例外なく汚い...
太宰治 「斜陽」
...日本の人がすべて例外なく持つてゐるらしい事にも氣がつきます...
太宰治 「「惜別」の意圖」
...男のひとは例外なく痩せて半病人のようになっているのに...
太宰治 「女神」
...みんな例外なく気むずかしいとか野蛮だとか言われながら...
G・K・チェスタートン G. K. Chesterton 村崎敏郎訳 「手早い奴」
...凡ての資本主義国に於て殆んど例外なくブルジョア哲学の群に這入ることを思い出そう...
戸坂潤 「イデオロギー概論」
...直線上の凡ての点は例外なく数の一双と対応することが出来る...
戸坂潤 「幾何学と空間」
...之に反して治安維持法の改正は恐らく例外なく一切の資本家達によって歓迎されている処のもので...
戸坂潤 「思想としての文学」
...例外なく唯物論の敵対者であることは...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...資本主義の一般的危機(××)の基礎の上に発展した世界経済恐慌が例外なくすべての資本主義国を強襲している秋(とき)...
野呂栄太郎 「十月革命と婦人の解放」
...社会は例外なく考えている...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...部屋のなかが例外なくなぜかわからぬほど完全に静まり返っているのをたしかめると...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...ところがついに、あまりにも早く――どんなに頑強に、ほとんど意識的に自分をあざむこうとしても、こうした実際の経験には勝てなかった――たいていはそのほんとうの目的からいうと、いつでも、例外なく、ただ動物小屋へいく人びとだけなのだ、ということを確信しないわけにはいかなかった...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「断食芸人」
...世間の人は、みな例外なく、どんな人でも食ってだけはいるのに、私だけは明日(あす)から食うことすらできないのだと思うと、私はもうこの世の中に生活してゆく資格のない人間であるかのように考えられてくるのです...
平林初之輔 「悪魔の聖壇」
...一人の例外なく、友人の意見を無視した...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「謎の四つ指」
...ほぼ例外なく附随する一挿話(そうわ)がまず注意せられる...
柳田国男 「海上の道」
...途々(みちみち)の部落は例外なく焼き払われていて...
吉川英治 「三国志」
...例外なく濠の中へ落ち込んでしまった...
吉川英治 「新書太閤記」
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