...或る時、例の如く、「豊臣秀吉」と云ふ題が出たので私は先生に、「何も知らぬから、書くことが出来ません」と云ふたら、「日本人で豊臣秀吉の事蹟を知らぬ奴があるものか」と云ふて先生が取り上げなかつた...
丘浅次郎 「落第と退校」
...例の如く一人で床(とこ)に入った...
岡崎雪聲 「子供の霊」
...水月は例の如く暫く默つて後「君は矢張り小説家になる積りですか」といつて三藏の顏を見て居たが「僕には小説は書けないやうだから...
高濱虚子 「俳諧師」
...……例の如く不眠がつゞく...
種田山頭火 「行乞記」
...午後は例の如く松山散策...
種田山頭火 「松山日記」
...例の如く飽く迄も意識的に自己の抱負を述べたものである...
土井晩翠 「新詩發生時代の思ひ出」
...暫く砂浜の上に立って、例の如く、あらん限りの声を揚げて歌をうたっていたが、真紅な西の空に、旗のように白い一点の雲をみとめると、急に歌をやめて、それを見つめる...
中里介山 「大菩薩峠」
...縁に腰を打ちかけた例の如く旅ごしらえの七兵衛...
中里介山 「大菩薩峠」
...余は例の如くランプを持つて火鉢と一つに窓の障子のもとへ居を移す...
長塚節 「菜の花」
...彼は例の如く遅く床に這入つて仕事から一層癖になつた不眠に悩んでゐた...
長與善郎 「青銅の基督」
...余(あんま)りだぜと例の如く甘へてかかるを振切るやうに物言はず行(ゆ)けば...
樋口一葉 「たけくらべ」
...阿古十郎は例の如く(ふき)のすれ切った黒羽二重の素袷に...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...それはさもあるべきことで」と例の如くゆっくりとした口調で呟きながら...
久生十蘭 「魔都」
...例の如くルパン攻撃ののろしを挙げた...
モーリス・ルブラン Maurice Leblanc 婦人文化研究会訳 「探偵小説アルセーヌ・ルパン」
...例の如く酒が出て先生が少し酔ってこられた時であった...
三木清 「西田先生のことども」
...今お目にかけたいものがあって例の如くポツリポツリと書いて居ります...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...正弘は江戸邸に於て家臣に謁を賜ふこと例の如くであつたが...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...矢張り例の如く勝手(かちて)の上に集まつてゐる...
コロレンコ Vladimir Galaktionovick Korolenko 森林太郎訳 「樺太脱獄記」
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