...併し自己の本質の中に活溌なるデイヤレクテイクを持つてゐるものは此の如き「自然」の境界に安住することが出來ない...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...併しこのプロレタリアが実は同時にブルジョアと同じ階級性を有つのであったから...
戸坂潤 「イデオロギー概論」
...併し今この事を、或る誰人でも好い二人の人間がルビコン河を渡った事件としてのみ見るならば、二つの事件は異っているにしても共通の普遍的事件の二つの場合に過ぎないであろう...
戸坂潤 「科学方法論」
...併し世間の「素朴」な常識は...
戸坂潤 「科学論」
...併し実際上宗教は常に必ず一つの宗教的な範疇の体系を持たざるを得ないのである*...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...併しそうであるからと云って直観は必ずしも感覚を含んでいるとは限らない...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...尤も蜷川氏の所謂「統計方法」は社会科学の「一方法」であり(大量とは社会的存在であるから)、従って石原博士があそこで問題にしている自然科学に於ける統計方法とは別なわけだが、併し蜷川氏は、自然科学にも用いられ得る統計方法(集団的研究方法一般)を、特に統計的方法と呼び、この統計的方法の特殊な(社会科学に用いられる)場合を氏の所謂「統計方法」と考えようと云っているから、私が統計的操作と呼んだものをこの統計的方法と考えれば、それが「一種の解析的操作」に解消し得ない理由は、依然として存するのだ...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...併し芸人の芸が如何に優れていても...
戸坂潤 「社会時評」
...併し両君もただ研究しているだけで...
戸坂潤 「社会時評」
...だが併し、ここまで帰着して見ると、之はもはやただの一つの言葉でしかないのであって、何等の体系的思想でもないというわけである...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...併し手懸りとしての常識はそれとは全く面目を異にしている...
戸坂潤 「範疇としての空間に就いて」
...併しまず内容という概念に就いて断わっておかねばならぬのは...
戸坂潤 「範疇としての空間に就いて」
...併し漠然と、こうしていたら、病床から起き出したとき、青江に冷淡さを示すのは随分困難になりそうだと不安になった...
豊田三郎 「リラの手紙」
...長どんと併(なら)んで……」「君は呉服屋の話をするのか...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...併(しか)しこれは直接音楽と関係のある筋ではなく...
野村胡堂 「探偵小説と音楽」
...併し、女性的とはいへ、山の温泉であるから、樹木が多く、雲や霧がふだんに立ちこめて、山巒(さんらん)といふ感じは充分にある...
萩原朔太郎 「石段上りの街」
...併し「宜しい」と...
濱田耕作 「異國さかな雜談」
...既に三十年代にはいつた頃には二様の文体が併び行はれながら...
水野葉舟 「言文一致」
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