...葉子一家は倉地と木村とから貢(みつ)がれる金で中流階級にはあり得ないほど余裕のある生活ができたのみならず...
有島武郎 「或る女」
...さりとて新らしい本を切々買ひ込むなどゝ云ふ余裕のある読書家にあらず...
石川啄木 「閑天地」
...心に余裕のある大異は...
田中貢太郎 「太虚司法伝」
...△日が暮れたら寝る、夜が明けたら起きる、食べたくなつたら食べる、歩きたくなつたら歩く、――さういふ生活へ私は入りつゝある、それは無理のない、余裕のある、任運自在の生活である...
種田山頭火 「行乞記」
...その余裕のある宝を奪いに来たらどうします」「そういうものが多少現われたところで...
中里介山 「大菩薩峠」
...余裕のある様子でやってゆく...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...わかるだけの余裕のある第三者の地位に立たねばならぬ...
夏目漱石 「草枕」
...虚子は畢竟(ひっきょう)余裕のある人かも知れない...
「高浜虚子著『鶏頭』序」
...愛に戯(たわ)むるる余裕のある人は至幸である...
夏目漱石 「野分」
...買えるような余裕のあるものは一人もなかった...
夏目漱石 「道草」
...自分より余裕のある相手の境遇に対して...
夏目漱石 「明暗」
...坂井の生活に余裕のある事と...
夏目漱石 「門」
...探偵小説として余裕のある構成法ではあるまいか...
平林初之輔 「「陰獣」その他」
...そばにいる女房らに冗談(じょうだん)を言っている余裕のある様子などをながめていると...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...まだまだ余裕のある事情に在ると想(おも)える...
柳宗悦 「地方の民藝」
...いかにも心に余裕のある...
横光利一 「夜の靴」
...余裕のある軽い調子で歌われるのであるが...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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