...佗しいその日その日を送つてゐるのである...
芥川龍之介 「酒虫」
...佗しいから東京に出たいがその節はよろしく頼むこと...
梅崎春生 「狂い凧」
...そしてその冬は東京ではまるで想像の付かない佗しい冬でした...
江南文三 「佐渡が島のこと」
...「――なんで俺(おれ)はこんな佗しい部屋にひとりでポツンと坐っていなくてはならないのだ」と返事のできない問いを自分に投げていた...
高見順 「如何なる星の下に」
...そう思うと佗しい心も慰められたりした...
高見順 「如何なる星の下に」
...――でも何か佗しい音であった...
高見順 「如何なる星の下に」
...それに空気に停滞したやうな佗しい気分がある...
田山録弥 「町」
...そしてこの物佗しい館(やかた)につかえる一個の無言の召使である...
チェスタートン Chesterton 直木三十五訳 「作男・ゴーの名誉」
...彼は佗しい浪の音を聞きながら...
徳田秋聲 「浪の音」
...如何に佗しいものであろうか...
豊島与志雄 「砂漠の情熱」
...人蔘やほうれん草で赤ん坊をそだててゐたと云ふ信一の佗しい生活の暗さは...
林芙美子 「幸福の彼方」
...なぜか佗しい気持でいっぱいだった...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...一人旅の夜汽車は佗しいものだ...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...佗しい食後の空腹状態で...
原民喜 「飢ゑ」
...何(ど)の点から見ても斯んなに貧しく佗しいのに接した験しはなかつた...
牧野信一 「鏡地獄」
......
森川義信 「哀歌」
......
森川義信 「虚しい街」
...秋のはじめの斯うしたこゝろもちはいかにも佗しいものである...
若山牧水 「樹木とその葉」
便利!手書き漢字入力検索