...愛子が何事につけても猫(ねこ)のように従順で少しも情というものを見せないのがことさら憎かった...
有島武郎 「或る女」
...物好きなその人たちは早くも新聞の記事を見て問題となっている女が自分に違いないと目星をつけているのではあるまいかと葉子は何事につけても愚痴っぽくひけ目になる自分を見いだした...
有島武郎 「或る女」
...今まで何事につけても滅多に心の裏を見せた事のない気丈者が...
有島武郎 「お末の死」
...ベルナルドオは何事につけても...
ハンス・クリスチアン・アンデルセン Hans Christian Andersen 森鴎外訳 「即興詩人」
...私どもは何事につけてもこの因縁を殺すことなしに...
高神覚昇 「般若心経講義」
...師匠は何事につけても...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...平素何事につけても消極的で...
谷崎潤一郎 「鍵」
...しかも何事につけても意見を組み立てることが出来ず...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「可愛い女」
...何事につけても礼礼...
津田左右吉 「流れ行く歴史の動力」
...何事につけても自分が厭(いと)わしく...
中島敦 「悟浄出世」
...その他何事につけても芳情を示したからして...
原勝郎 「東山時代における一縉紳の生活」
...何事につけ、異様でミットモナイ事があまり永くつづくことを好まぬ人も、まだかなりいるから...
三好十郎 「恐怖の季節」
...何事につけても優しくしてくれたお玉...
森鴎外 「雁」
...何事につけても逆はぬやうにしてゐる...
森林太郎 「高瀬舟」
...巣なし鳥それを、左右太に、いつ打ち明けようかと、この間うちから悩んでいたが、姉のお島は、島破りという兇状持ちだけに、何事につけ、疑いぶかく、自分がちょっと他人(ひと)と低声(こごえ)で話していても、ふと外へ用に出ても、すぐ目にかどを立てて、訊きほじる始末なので――ただ独り胸を傷(いた)めていたところでした――と、話すのでもあった...
吉川英治 「大岡越前」
...それほど何事につけ彼は母のよろこびを見ることを以て自分のよろこびの第一にしてゐた人である...
吉川英治 「折々の記」
...石田大七(だいしち)は何事につけてもすぐ自分の国土と比較して考えずにいられないのであった...
吉川英治 「篝火の女」
...何事につけ、威儀張る人である...
吉川英治 「新書太閤記」
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