...何れか不祥の事実に非ずとせん...
高木敏雄 「比較神話学」
...世を捨てん身にも今を限りの名殘には一切の諸縁何れか煩惱ならぬはなし...
高山樗牛 「瀧口入道」
...民主主義的なこの多衆概念の自己矛盾は、ただ、圧倒性の止揚の方向、又は低質性の止揚の方向、の何れか、を通じてのみ止揚されることが出来る筈である...
戸坂潤 「イデオロギーの論理学」
...というのはまず始めに主観と客観という二つの Sphren が設けられてあって空間がその何れかに這入っているというのではない...
戸坂潤 「範疇としての空間に就いて」
...然しそれならばと云ってどうすればよかったのでしょう? 或は僕か妻か何れかが間違っていたかも知れません...
豊島与志雄 「囚われ」
...何れかでありたかった...
豊島与志雄 「反抗」
...何れか果して日本なりやを疑ひ...
内藤湖南 「卑彌呼考」
...三曲のうちの何れかの一方が音締(ねじ)めをすると...
中里介山 「大菩薩峠」
...世間の構成分子たる何れかの人間は...
中原中也 「青年青木三造」
...もともと左程芸術的欲求なるものを感じたことはないかの何れかであらう...
中原中也 「近頃芸術の不振を論ず」
...黒白何れか一方の証拠をお掴みになりますと御奉行様は世にも幸福な御様子をなさるのでございました...
浜尾四郎 「殺された天一坊」
...現在を過去に比して歎く類は何れかといへば因習的な型にとらはれた感じなのではなからうか...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...その中何れか一つの性質を忘れて生れたならば...
牧野信一 「明るく・暗く」
...以下の言葉のうちの何れか一つを毒々しく嘲笑的に口走るのであつた...
牧野信一 「蔭ひなた」
...何れか一羽は代る代るおくれます...
牧野信一 「晩春の健康」
...つまり万葉歌の山ヂサをしてこの三樹木の何れかに帰着せしめ様とせんとて...
牧野富太郎 「植物記」
...もしも仮りに万葉歌の山ヂサを上の三種の何れかに当てはめて見るとしたならば...
牧野富太郎 「植物記」
...月々是等の紙の何れかを用ゐることなくして暮したことがない...
柳宗悦 「和紙十年」
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