...だが何といっても...
石川欣一 「可愛い山」
...何といっても隅田河原(すみだがわら)の霞(かすみ)を罩(こ)めた春の夕暮というような日本民族独特の淡い哀愁を誘って日本の民衆の腸(はらわた)に染込(しみこ)ませるものは常磐津か新内の外にはないと反対した...
内田魯庵 「二葉亭余談」
...何といっても日本の最高学府たる帝国大学に対しては民間私学は顔色なき中に優に大学と拮抗して覇を立つるに足るは実業における三田と文学における早稲田とで...
内田魯庵 「明治の文学の開拓者」
...何といっても文学が生命なのだし...
徳田秋声 「仮装人物」
...何といってもいばれた話ではない...
中谷宇吉郎 「アメリカの沙漠」
...本は何といっても大家のものに限る...
中谷宇吉郎 「先生を囲る話」
...何といっても平次のせいだったに違いありません...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...何といっても自分の天地が一番いい...
林芙美子 「狐物語」
...何といっても女は蛇に化けるに誂(あつら)え向きで...
南方熊楠 「十二支考」
...何といってもこおろぎは秋の初めから終りまで鳴き過す...
宮城道雄 「耳の日記」
...その代り一時性のものは熱度が最極端まで上昇するから熱度の昇っている時外(ほか)から何といっても理解せん...
村井弦斎 「食道楽」
...京の人は何といっても風流なものですね...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...政治上の力によった地名は何といっても仕方がないのであるが近い処では横浜の町と遠い所では大連(たいれん)の町の名を見ても...
柳田國男 「地名の研究」
...倹約はこれや何といっても...
横光利一 「上海」
...その条件とは、「兵庫事(こと)は、天性、御奉公を懈怠(けたい)いたすようなものではござらぬが、何といっても、若年者、それに短慮(たんりょ)のところもありますゆえ、落度あっても、死罪三たびまでは、お宥(ゆる)しありたい」ということであった...
吉川英治 「剣の四君子」
...決して卜筮(ぼくぜい)を取らないことにしているそうです」――誰が何といっても今は観ないと聞くと...
吉川英治 「三国志」
...今の時代では何といっても兵法に優れることが出世の捷径(はやみち)である...
吉川英治 「宮本武蔵」
...南蛮屋は、奥で馳走になったらしく、微酔(びすい)をおびて、いい機げんで帰りかけたが、ふと伊織を土間の隅に見つけて、「わしがお前を、貰ってゆこうと、掛合ったところがな、御寮人もお鶴も、何といっても、いやだという...
吉川英治 「宮本武蔵」
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