...それとても行くとも皈るともなく然として獨り佇むばかりで...
泉鏡花 「遺稿」
...アロアア区の戸口に佇む一個の人影があった...
海野十三 「十八時の音楽浴」
...あの山奥が敵の巣窟だと睨みつつ枯田の吹きさらしの中に佇むこともあった...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...何故默し佇むや?クロニーオーンおほいなる奇蹟を我に遣はせり...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...佇む余等に横目をくれて...
徳冨蘆花 「熊の足跡」
...茫然とそこに佇むばかりだった...
豊島与志雄 「囚われ人」
...眼を閉じて暫し佇むと...
豊島与志雄 「広場のベンチ」
...冬の程には箒もあて難きに杉の大木聳え立ちたれば落葉もいたく亂れにけるをあまたあれば杉の落葉のいぶせきに梅の花白しそのいぶせきに杉の葉の梅の木にして懸れるを見つゝ佇むそのさゆらぐを掃かざりし杉の落葉を熊手もて掻かしめしかば心すがしき我がさとはかくしもありき庭にして落葉掻き集む梅さへ散るに三月十三日...
長塚節 「長塚節歌集 下」
...(入口から家の中へはいる)茂兵衛が桜の下に佇む...
長谷川伸 「一本刀土俵入 二幕五場」
...月光を浴びたる森の下で月光を浴びたる森の下に少年は佇む...
北條民雄 「童貞記」
...人物の姿はシルエツトの切り抜きのやうに梢から洩れる星空からの逆光線の中に佇むでゐた...
牧野信一 「凩日記」
...佇むと反対の側の東の方には眺められる...
正岡容 「下町歳事記」
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松本たかし 「松本たかし句集」
...以前何時か能楽趣味の女が野原に佇む絵を描いて以来...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...どの山みても燻し銀沖にむかひ永く佇む沖より来る響...
室生犀星 「抒情小曲集」
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森川義信 「哀歌」
...虹(みょうじ)峠を降(くだ)ると県標が佇む...
柳宗悦 「日田の皿山」
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夢野久作 「猟奇歌」
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