...すると彼女には自分がまるで帆船に乗って荒海に漂いながら岸辺に佇む夫をぐんぐんと離れて行くような気がした...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「頸の上のアンナ」
...佇む時にうしろより...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...枯柳沈む夕日を見送りて佇む岸のかれやなぎ...
土井晩翠 「天地有情」
...茫然とそこに佇むばかりだった...
豊島与志雄 「囚われ人」
...地面の上に手を拱いて佇むばかりで...
豊島与志雄 「ヒューメーンということに就て」
...寝台車の喫煙室の方に行ってみても、そこはまだ寝ずに語りあってる人々でふさがっているし、食堂も満員だし、彼はまた普通車の方に戻ってきて、室の隅に、或は連れの者の側に、佇むの外はない...
豊島与志雄 「風俗時評」
...旧市公署の一隅に佇む方が楽しい...
豊島与志雄 「北支点描」
...佇むと(引返して斬り捨ててやろうか)と...
直木三十五 「南国太平記」
...歩むともなく佇むともなく立っていると...
中里介山 「大菩薩峠」
...(入口から家の中へはいる)茂兵衛が桜の下に佇む...
長谷川伸 「一本刀土俵入 二幕五場」
...母子は抱きついて泣く)時次郎 (悚然(しょうぜん)として佇む)おや...
長谷川伸 「沓掛時次郎 三幕十場」
...忠太郎、その光に背いて踏み出し、佇む...
長谷川伸 「瞼の母 二幕六場」
...彼処(かしこ)に佇む日の限り...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...月光を浴びたる森の下で月光を浴びたる森の下に少年は佇む...
北條民雄 「童貞記」
...人物の姿はシルエツトの切り抜きのやうに梢から洩れる星空からの逆光線の中に佇むでゐた...
牧野信一 「凩日記」
......
松本たかし 「松本たかし句集」
...自分の存在を彼らに知らせようとする瓦(かわら)を積んでは崩(くず)すような取り止めもない謀略(はかりごと)が幼い胸中に幾度か徒事(あだ)に廻(めぐ)らされたのであったがとうとう何の手段(てだて)をも自分からすることなくある日崖下の子の一人が私を見つけてくれたが偶然上を見た子が意外な場所に佇む私を見るとさもびっくりしたような顔をして仲間の者にひそひそとささやく気配だった...
水上滝太郎 「山の手の子」
...人々、呆然と佇む...
山中貞雄 「森の石松」
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