...それとても行くとも皈るともなく然として獨り佇むばかりで...
泉鏡花 「遺稿」
...ついで足を堤上に運んで佇むと...
大鹿卓 「渡良瀬川」
...夕暮れに佇む谷の灰緑色を縫って金糸のようにうねっていた...
C. スミス C. Smith The Creative CAT 訳 「西洋科学は素晴らしい」
...何故默し佇むや?クロニーオーンおほいなる奇蹟を我に遣はせり...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...悄然として佇むを...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...押入の前に佇むと...
豊島与志雄 「白血球」
...寝台車の喫煙室の方に行ってみても、そこはまだ寝ずに語りあってる人々でふさがっているし、食堂も満員だし、彼はまた普通車の方に戻ってきて、室の隅に、或は連れの者の側に、佇むの外はない...
豊島与志雄 「風俗時評」
...そして、それと、同時に、月丸が、深雪の方を、ちらっと、見て、佇むと、じっと、深雪を、凝視めた...
直木三十五 「南国太平記」
...高さ一間に足りない小さな祠であるが、その前に佇むと、太平洋の海鳴りの音が微(かす)かに聞えてくる...
中村地平 「南方郵信」
...忠太郎、その光に背いて踏み出し、佇む...
長谷川伸 「瞼の母 二幕六場」
...月光を浴びたる森の下で月光を浴びたる森の下に少年は佇む...
北條民雄 「童貞記」
...人物の姿はシルエツトの切り抜きのやうに梢から洩れる星空からの逆光線の中に佇むでゐた...
牧野信一 「凩日記」
...」私は厩の前に佇むと...
牧野信一 「剥製」
......
松本たかし 「松本たかし句集」
...自分の存在を彼らに知らせようとする瓦(かわら)を積んでは崩(くず)すような取り止めもない謀略(はかりごと)が幼い胸中に幾度か徒事(あだ)に廻(めぐ)らされたのであったがとうとう何の手段(てだて)をも自分からすることなくある日崖下の子の一人が私を見つけてくれたが偶然上を見た子が意外な場所に佇む私を見るとさもびっくりしたような顔をして仲間の者にひそひそとささやく気配だった...
水上滝太郎 「山の手の子」
...以前何時か能楽趣味の女が野原に佇む絵を描いて以来...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...いつも私は默つて窓ぎはに佇むと...
室生犀星 「蒼白き巣窟」
...優れた像のうち動かせるものは全て他の可動物同様に永劫の静寂に佇む周囲の遺構から持ち去られていたが...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
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