...浅草(あさくさ)仲店(なかみせ)の収容所にあつた病人らしい死骸である...
芥川龍之介 「大正十二年九月一日の大震に際して」
...兄は仲店(なかみせ)から...
江戸川乱歩 「押絵と旅する男」
...S夫人と私はどっちから誘うともなく仲店に入り...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「鉄の処女」
...仲店の中間、左側が伝法院で、これは浅草寺の本坊である...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...仲店の、あれも虎の門や上野の博物館や銀座や十二階とおなじ時分に出來たと思はれる赤煉瓦の長屋の文明開化趣味も、もうなくなつた...
竹久夢二 「砂がき」
...そのような絵はがきよりも浅草仲店の絵はがきを好むのだ...
太宰治 「もの思う葦」
...仲店(なかみせ)の街路(とおり)も大半(おおかた)店を閉じて微暗(うすぐら)かった...
田中貢太郎 「水魔」
...ちょうど仲店の街路(とおり)の中央(なかほど)になったところで...
田中貢太郎 「水魔」
...小女(こむすめ)は仲店の前を出はずれると...
田中貢太郎 「水魔」
...あたしイヤだから結わなかったわ」「じゃあそのリボンは?」「これ? これはあたしが仲店(なかみせ)へ行って自分で買ったの...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...仲店(なかみせ)はまだ縁台を上げたままの家も多かった...
徳田秋声 「足迹」
...仲店(なかみせ)の雑沓(ざつたふ)をも今では少(すこ)しも恐(おそ)れずに観音堂(くわんおんだう)へと急いで...
永井荷風 「すみだ川」
...この悲みはお糸が土産物を買うため仁王門(におうもん)を過ぎて仲店(なかみせ)へ出た時更にまた堪えがたいものとなった...
永井荷風 「すみだ川」
...また浅草仲店を歩む...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...二人は灯の消えた仲店を抜けて雷門を出ると...
林芙美子 「帯広まで」
...カンノン様を拝んで仲店(なかみせ)へ出る...
林芙美子 「新版 放浪記」
...仲店の角をつっきるとき私は出会頭...
宮本百合子 「九月の或る日」
...終電車に間にあふやうに觀音堂から寢靜つた仲店へ出ようとすると...
室生犀星 「蒼白き巣窟」
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