...世を忍ぶ仮の名でも何でもない...
泉鏡花 「婦系図」
...現に目の前に見えて居る実物の方を仮の姿である如くに考へる者もあるが...
丘浅次郎 「固形の論理」
...仮の宿――この仮の字は日本語だと...
高見順 「いやな感じ」
...一時の宿として俺が開房間(カイファンチェン)(宿泊)したこの仮の房間が...
高見順 「いやな感じ」
...「それを一つ見せてもらおうか」お作は人に見せる仮の木札をこしらえてあった...
田中貢太郎 「妖怪記」
...青巌寺を仮の住まいと定め...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...なまなましい土饅頭(どまんじゅう)の前に仮の祭壇をしつらえ神官が簡単なのりとをあげた...
寺田寅彦 「自由画稿」
...思ひかへせば桐の花揚場のかしに匂ふころわが家の倉の軒下に来て巣をつくる仮の宿雛を育てゝもろともに南をさしてかへり行く...
永井壮吉 「偏奇館吟草」
...その仮の住居を訪ねたことがある...
中谷宇吉郎 「牧野伸顕伯の思い出」
...奴矢田平は明の宋蘇卿の遺子順喜歓(じゅんきかん)が仮の名にて...
三木竹二 「両座の「山門」評」
...今の家が仮の住居(すまい)であることは間違いのないことらしいから...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...それを知りながら仮の世の執着が離れず...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...仮埋葬(かりまいそう)を営むと触(ふ)れてわが仮の柩(ひつぎ)を...
吉川英治 「三国志」
...こんなものは仮の装いと分っている...
吉川英治 「私本太平記」
...ひとまず仮の床几(しょうぎ)をすえ...
吉川英治 「私本太平記」
...仮の姿じゃ」「さては...
吉川英治 「親鸞」
...こういう人々の種々(さまざま)な仮の相(すがた)が...
吉川英治 「親鸞」
...ここの仮の兵舎は...
吉川英治 「源頼朝」
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