...既に十年の友の心を以て仔細に心置きなく見るに及んで...
石川啄木 「雲は天才である」
...好奇心を以て仔細に彼の挙動に注目した...
石川啄木 「葬列」
...今にいたりて仔細に見もてゆけば...
大槻文彦 「ことばのうみのおくがき」
...仔細に其を調べて行つたならば...
高浜虚子 「進むべき俳句の道」
...彫刻製作の順序を踏んで最初から一々規則的に仔細に教え込んで行きました...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...その会社の商品の欠点を仔細に研究して...
寺田寅彦 「学問の自由」
...仔細に見ると餘り感じの宜い男ではない...
徳田秋聲 「媒介者」
...古寫經の屏風なども多かりしも仔細に諦觀せんひまなかりしをかこたんは...
内藤湖南 「寧樂」
...「おや、結構な印籠が……」お玉はそれを、町の方へ向けてなるべく明るいようにして、仔細に見ると、梨子地(なしじ)に住吉(すみよし)の浜を蒔絵(まきえ)にした四重の印籠に、翁(おきな)を出した象牙(ぞうげ)の根付(ねつけ)でありましたから、「こんな結構な印籠を、お前どこから持って来たえ、拾ったのかえ、どこで拾ったの」犬は神妙に首を俛(た)れております...
中里介山 「大菩薩峠」
......
長塚節 「長塚節歌集 下」
...小松は発狂して精神病院に入院した看護夫の狂態を仔細に観察し...
久生十蘭 「ハムレット」
...そして、女は、屡々、夜鳥の叫びに似た声を挙げたが、仔細に眺めると、それは、怖れや、苦悶の悲鳴ではなくつて、誰やらが、女の脚のあたりを擽る度に放つ馬鹿/\しいわらひ声のようでもあつた...
牧野信一 「山男と男装の美女」
...仔細に検めぬと判別し憎い程度であるが...
牧野信一 「夜見の巻」
...(――どうしてこの河の水は、こんなに黄色いのか?)汀(みぎわ)の水を、仔細に見ると、それは水その物が黄色いのではなく、砥石(といし)を粉にくだいたような黄色い沙(すな)の微粒(びりゅう)が、水に混(ま)じっていちめんにおどっているため、濁(にご)って見えるのであった...
吉川英治 「三国志」
...顛末(てんまつ)を仔細にこう語りだした...
吉川英治 「三国志」
...仔細に作戦を指令して去った...
吉川英治 「三国志」
...右馬介の手紙を仔細に見て...
吉川英治 「私本太平記」
...落着き得た眼をもって仔細に連中の風俗を見ても...
吉川英治 「平の将門」
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