...(この若い病後の弟は時々僕には肉体を脱した精神そのもののように見えるのだった)「妙に人間離れをしているかと思えば...
芥川竜之介 「歯車」
...ただいささか人間離(にんげんばな)れのした...
浅野和三郎 「霊界通信 小桜姫物語」
...されば佐助は当夜枕元へ駈け付けた瞬間(しゅんかん)焼け爛(ただ)れた顔をひと眼見たことは見たけれども正視するに堪(た)えずしてとっさに面を背(そむ)けたので燈明の灯の揺(ゆら)めく蔭に何か人間離れのした怪(あや)しい幻影(げんえい)を見たかのような印象が残っているに過ぎず...
谷崎潤一郎 「春琴抄」
...ひどく人間離れのしてる冷いところとが...
豊島与志雄 「死の前後」
...人間離れのした冷酷さを湛えて...
中島敦 「牛人」
...人間離れのするほど美しい...
野村胡堂 「楽聖物語」
...ハイフェッツの人間離れのした冷たい技巧でひきまくる快さは非凡だ(ビクターJD一〇二一―二)...
野村胡堂 「楽聖物語」
...何しろ人間離れのした凄い笑い声だったよ」千種十郎は...
野村胡堂 「笑う悪魔」
...残酷の中に人間離れのした異様な挙動があるのだ...
エドガア・アルラン・ポオ Edgar Allan Poe 森林太郎訳 「病院横町の殺人犯」
...まったく人間離れのした恐ろしい奇怪な行為...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「モルグ街の殺人事件」
...「妙に人間離れをしてゐるかと思へば...
堀辰雄 「芥川龍之介論」
...人間離れのしてしまった相手と...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「なぐり合い」
...それからまた人間離れのしたような小説の姫君だってあなたのように恋する男へ冷淡で...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...人間離れのした心にも非常にうれしく思われて...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...その話の女性たちも人間離れのした信心くさい...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...ただあまりに人間離れのした環境に置かれておいでになりましたから...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...「ギャアギャアギャア……ギャギャギャギャッ……」と人間離れのした声を立てた...
夢野久作 「オンチ」
...人間離れのした声で上(かみ)は天堂下(しも)は地獄まで引きずりまわされて...
夢野久作 「謡曲黒白談」
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