...口先ばかりで人間並みのあしらいをしていたのだ...
有島武郎 「或る女」
...人間並みにこの時個性と顔を見合わしたに過ぎない...
有島武郎 「惜みなく愛は奪う」
...それも独寝の床に人間並(ひとなみ)の出来心を起した時だけの話...
石川啄木 「赤痢」
...二人を浮世の人間並みらしい感じに戻らせた...
田村俊子 「木乃伊の口紅」
...人間並をはるかに越して濃厚に纏綿(てんめん)しているところの高慢と狂気と不思議な悲哀との雲がここにも絡みついているからであった...
チェスタートン Chesterton 直木三十五訳 「作男・ゴーの名誉」
...しか宣すればクロニオーン人間並びに神の父...
ホーマー Homer 土井晩翠訳 「イーリアス」
...今まで人間並み外(は)ずれた苦しい生活へ追いこまれたことを...
戸田豊子 「鋳物工場」
...人間並みに物をかたよらずに見る眼...
中里介山 「大菩薩峠」
...人間並みにつきあっていさえすりゃ...
中里介山 「大菩薩峠」
...白雲もまだ人間並みに故郷というものを思い出でたからでしょう...
中里介山 「大菩薩峠」
...おいらのことは人間並みに扱わなくってもいいんだから――と言ったのだが...
中里介山 「大菩薩峠」
...人間並みに五体整っている人のすることでありますから...
中里介山 「大菩薩峠」
...馬鈴薯階級の詩(三)つくづくと人間並の暮しがしたいと思ったそれは自分達の生活が人間並でないからの事...
中島葉那子 「馬鈴薯階級の詩」
...こう精神作用を人間並に刺戟(しげき)した後で...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...これでも蔭ながら尽力(じんりょく)しているんですよ」と野だが人間並(なみ)の事を云った...
夏目漱石 「坊っちゃん」
...なら、まだ人間並みだ...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...たしかに人間並になりました...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...ワラ人形の軍功も生ける人間並だった...
吉川英治 「私本太平記」
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