...女たちは袖を合せ糸七が一人立ちで一畝(ひとうね)の水田(みずた)を前にして彳んだ処は...
泉鏡花 「遺稿」
...其処に二疋の馬がいて傍に陣笠を冠った旅装束の武士が二人立ち...
田中貢太郎 「海神に祈る」
...人立ちのなかに張浩が地面に倒れていた...
豊島与志雄 「秦の憂愁」
...漸く一人立ちの研究が出来るようになってから...
中谷宇吉郎 「二つの序文」
...(二人立ちあがる)幕...
新美南吉 「ラムプの夜」
...一人立ちは出來ないぜ」「へエ――」叱られ乍らもガラツ八は...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...大變な人立ち――...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...一應お役人立ち會ひの上...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...路地の中はまだ三々五々の人立ち...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...人立ちを追ひ散らし乍ら...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...人立ちをはばからずに矢の根五郎の振事(ふりごと)の真似をしてみせ...
久生十蘭 「鈴木主水」
...その橋の真ん中近くに人立ちのしているのを認めた...
堀辰雄 「三つの挿話」
...最前から圓太の噺、少しも受けず、一人立ち、二人立ち、かなりのお客がバラバラバラバラ立ちかけている最中だっただけ、この笑い声、いっそうお客のかえりたがっている心理へ拍車をかけたかもしれない...
正岡容 「小説 圓朝」
...彼れは日々の乞食見たいな生活(くらし)を免れて一人立ちになるには...
正宗白鳥 「假面」
...一人立ちで魚商ひをしてゐた...
正宗白鳥 「避病院」
...少し静かになっていた向うの人立ちの間から...
三好十郎 「樹氷」
...唯今目付役人立ち会いの上...
吉川英治 「剣難女難」
...「黒谷(くろだに)へ襲(よ)せて行け」「吉水を葬(ほうむ)れ」「売教徒の巣を焼き払え」大講堂の縁には、さらに二人立ち、三人立ち、七、八名の煽動者(せんどうしゃ)がおどり上がって、激越な口吻(こうふん)で、「念仏退治へ」と、指さした...
吉川英治 「親鸞」
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