...このような人々の群れの中にただ一人立ち上がって...
寺田寅彦 「旅日記から(明治四十二年)」
...縛られて通る米友を見ようとて道の両側へ真黒に人立ちがしました...
中里介山 「大菩薩峠」
...その後、なんぼ探しても、手白も、その不思議な猿の湯も、二度とは見つからなかった――土橋のおくら婆さんから、土地の言葉で、こういう話をして聞かせてもらうと、子供たちは皆、膝に手を置いて、感心しきって、しーんとして聞いていたが、その話が終ってしまうと、そこは子供のことで、忽(たちま)ちがやがやと陽気になり、一人立ち、二人立ち、やがて元気いっぱいになり、医者どんの頭をステテコテン医者どんの頭をステテコテンと一方で合唱をすると、他の一方にかたまった連中が、そんなこと言うもんの頭をステテコテンそんなこと言うもんの頭をステテコテンと、負けない気になって合唱をはじめる...
中里介山 「大菩薩峠」
...一人立ちをしている人間という観念が...
中谷宇吉郎 「ピーター・パン」
...(二人立ちあがる)幕...
新美南吉 「ラムプの夜」
...まだ菰(こも)をかけてありますよ――先刻町役人立ち合ひで調べて見ると...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...一人立ちは出来ないぜ」「ヘエ――」叱られながらもガラッ八は...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...お繩を頂戴せい」人立ちの次第に多くなるのを恐れて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...此処じゃ人立ちがして叶わない...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...繪雙紙屋(ゑざうしや)の店さきに人立ちがないので...
長谷川時雨 「日本橋あたり」
...勢ひは他の一人立ちの富者を壓したのであらう...
長谷川時雨 「花火と大川端」
...私は一人立ちしていても貧乏...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...一人立ちで仕上げますな...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...って一町四方に聞えるような声で喚きたてるじゃないの」客はこわがって出てゆくし人立ちはするしで...
山本周五郎 「季節のない街」
...「人立ちがしますからね」「なんの用だ」「おつまさんの云うようなことはよしにしましょうや...
山本周五郎 「へちまの木」
...「人立ちがしますからもう少し歩いて下さい...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...もう辺りは人立ちの様子だった...
吉川英治 「新・水滸伝」
...いつのまにか私たちのまわりに人立ちという程ではないが...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
便利!手書き漢字入力検索