...ただ淡水と潮水(ちょうすい)とが交錯する平原の大河の水は...
芥川龍之介 「大川の水」
...他と自との交錯する上に完全に動いて行つて...
田山録弥 「或新年の小説評」
...人々は各がままに闇と光の交錯する日本の近代科學の黎明期をひたすらに突きすすむよりなかつたのであらう...
徳永直 「光をかかぐる人々」
...様々の世界は事物を媒介として互いに交錯することが出来る...
戸坂潤 「科学方法論」
...唯物史観と交錯する...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...而もそれがいろいろ交錯するので...
豊島与志雄 「別れの辞」
...こんな風に賛否兩論相交錯するので私も大いに迷ひ...
豊田喜一郎 「乘用車發表に際して」
...而もそのマキシマムになる錯覺とミニマムになる錯覺とが入れ代り立ち代り交錯する...
南部修太郎 「自分の變態心理的經驗」
...無数に交錯する足音についてわたしの耳はぼんやり歩き廻る...
原民喜 「鎮魂歌」
...編んだように交錯する...
火野葦平 「花と龍」
...木の香と橘の匂ひと交錯する趣きを味へばそれでも宜しからう...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...ワン・ゴオクの向日葵に見るやうな強烈な白いほどの日光と真赤なひなげしの葩の交錯する画面で...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...舞台全面に物凄き明暗交錯する...
林不忘 「若き日の成吉思汗」
...互に交錯すると一種の濁音となつて響いて来た...
牧野信一 「眠い一日」
...周囲の人間どもへの愛情と恐怖の交錯する戦慄みたいなものだったかもしれない...
山川方夫 「愛のごとく」
...交錯する梭(ひ)のように駈けていた...
横光利一 「上海」
...舞台のレビューの交錯する瞬時といえども停滞のない俊敏さは...
横光利一 「旅愁」
...この両者の相交錯する脈搏の内にのみ自分の成長が行われていたのであるが...
和辻哲郎 「自己の肯定と否定と」
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