...じつに縦横に無秩序に交錯する「北海の活画」である...
谷譲次 「踊る地平線」
...自然と人事との交錯する或(ある)光景の描写の不思議にうまいのは...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...他と自との交錯する上に完全に動いて行つて...
田山録弥 「或新年の小説評」
...その音のガーガーと鵞鳥のガーガーが交錯する...
寺田寅彦 「映画雑感(1[#「1」はローマ数字、1-13-21])」
...空中の各層に縦横の航空路が交錯するようになればもはや平面的な図では間に合わなくなって立体的なあるいは少なくも立体的に代用される特殊な地図が必要になるかもしれない...
寺田寅彦 「地図をながめて」
...唯物史観と交錯する...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...鼠色の空に交錯する枯枝を仰いで「またエルムの花盛りになったね」と冗談を言う友人もあった...
中谷宇吉郎 「楡の花」
...あの虧けた三日月の交錯する光の下で...
西尾正 「墓場」
...折尾(おりお)駅で交錯する...
火野葦平 「花と龍」
...木の香と橘の匂ひと交錯する趣きを味へばそれでも宜しからう...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...ワン・ゴオクの向日葵に見るやうな強烈な白いほどの日光と真赤なひなげしの葩の交錯する画面で...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...彼女と僕の二つの視線はぶつかり合はずに交錯する...
堀辰雄 「不器用な天使」
...舞台全面に物凄き明暗交錯する...
林不忘 「若き日の成吉思汗」
...互に交錯すると一種の濁音となつて響いて来た...
牧野信一 「眠い一日」
...空虚な過剰な意識の氾濫交錯する遊び場であるのは事の自然であらうから...
三好達治 「銀座街頭」
...交錯する梭(ひ)のように駈けていた...
横光利一 「上海」
...舞台のレビューの交錯する瞬時といえども停滞のない俊敏さは...
横光利一 「旅愁」
...この両者の相交錯する脈搏の内にのみ自分の成長が行われていたのであるが...
和辻哲郎 「自己の肯定と否定と」
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