...三日ぶり外(そと)へだされた乳牛(にゅうぎゅう)は...
伊藤左千夫 「箸」
...二本の短剣は空中に切り結び、いなずまのようにギラギラとひらめき、男体、女体ともに、腕にも、乳ぶさにも、腰にも、しりにも、ももにも、全身のあらゆる個所に無数の赤い傷がつき、そこから流れ出すあざやかな血潮が、舞踊につれて、あるいは斜めに、あるいは横に、あるいは縦に、流れ流れて美しい網目をつくり、ふたりの全身をおおいつくしてしまった...
江戸川乱歩 「影男」
...けれども男の乳は飾物であってなんら実用を為さぬではないか...
大隈重信 「現代の婦人に告ぐ」
...一度腐敗した牛乳を知らずに配達したら最後...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...母が亡くなってからの父は、出仕を怠っている日が多く、晝間(ひるま)から一と間に閉じ籠って病人のようにしていることがしば/\であったし、餘所目(よそめ)にもひどく憔悴(しょうすい)して、鬱々(うつ/\)としているように見えたので、そう云う父が子供にはひとしお薄気味悪く、近づきにくい感じがして、なか/\慰めに行くどころではなかったのであるが、お父さまはお優しい人なのですよ、若様が行ってお上げになればどんなにお喜びになりますことか、と、乳人は云って、或る日滋幹の手を執(と)って、父の部屋の前まで引っ張って行き、さあ、と、障子を開けて無理に中へ押し込んだことがあった...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...搾り立ての牛乳の匂いがする頃...
チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「女房ども」
...乳の出が悪くなったのを...
豊島与志雄 「理想の女」
...馬乳や馬乳酒を嗜(たしな)む...
中島敦 「狐憑」
...高い窓から柔かな乳色の光線が流れて...
「修道院の秋」
...一と思ひに左乳の下を突き上げたものです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...牛乳と卵とで湿してやるといいや...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...恐らくは料理番が、主として霊感にまかせて、何でも手当り次第に放りこんだものと見える――胡椒が傍にあれば、胡椒を振りかける、キャベツが眼につけば、キャベツを突っこむ、牛乳でも、ハムでも、豌豆でも、お構いなしに叩きこむといった調子で――要するに、滅多矢鱈に捏(こ)ねまぜたもので、それでも温かい中(うち)なら何とか味があるだろうという代物なのである...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...自分も乳母の手を離れて...
水上滝太郎 「山の手の子」
...第五十 ライスプデンのソースこれはお米の粉大匙三杯に玉子の黄身三つに砂糖大匙三杯に牛乳一合五勺と香料少しとを皆(み)んなよく混ぜてプデン型の内側へバターを一面に塗ってその中へ入れて一時間ほど湯煎(ゆせん)にします...
村井弦斎 「食道楽」
...乳母(めのと)が話した...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...亀千代乳母がところまで遣わし...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...急に乳母のようなことを云いだすではないか」「いや...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...まだまだ乳臭児という感じがはっきりする...
吉川英治 「新書太閤記」
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