...六 乱れ髪亭主の叫びし声を怪しみ...
泉鏡花 「活人形」
...酒の酔いに心が乱れ...
太宰治 「新釈諸国噺」
...尚(なお)も間断なく散り乱れ積る花びらを...
太宰治 「花吹雪」
...安らかに繰り返されていた寝息が少し乱れたかと思うと...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...入乱れて飛び廻るかと思えば...
富ノ沢麟太郎 「あめんちあ」
...序破急が乱れ出し...
中里介山 「大菩薩峠」
...召使いたちが上を下へと走り廻りながら呼びかわす声が入り乱れてきこえたが...
プーシキン Alexander S Pushkin 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...この家の変に乱れた空気と調和しないので彼は殊更に甘い粗暴を振舞つてゐるのだつた...
牧野信一 「父を売る子」
...国家機構に直面する牢獄におけるわれ/\の態度の乱れ勝ちな...
槇村浩 「我々は牢獄で何をなすべきか」
...剣のささやきが松をゆする風のように乱れた音を出した...
フィオナ・マクラウド Fiona Macleod 松村みね子訳 「琴」
...けれどもつくづくと考えて見るとまた思い乱れてくる...
正岡子規 「病」
...木の花は大部分終わりがたになって散り乱れた庭に霞(かすみ)もよどんで春の末の哀愁の深く身にしむ景色(けしき)を...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...松明が入り乱れて見えるのとで...
カミイユ・ルモンニエエ Camille Lemonnier 森林太郎訳 「聖ニコラウスの夜」
...乱れ、治まり、河溢るれど、我等は変へず気色だに...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...昨夜(ゆうべ)のままの夜具が乱れ重なって...
夢野久作 「名君忠之」
...鬢(びん)の乱れをなでつけて...
吉川英治 「江戸三国志」
...一夜北風寒し万里雲(とううん)厚く長空雪は乱れ飄(ひるがえ)る改め尽す山川の旧(ふる)きを白髪の老衰翁(ろうすいおう)盛んに皇天の祐(たすけ)を感ず驢(ろ)に乗って小橋を過ぎ独り梅花の痩せを嘆ず玄徳は...
吉川英治 「三国志」
...小六の胸には、馬謖(ばしょく)を斬るの気もちで――甥(おい)の成敗(せいばい)を決心していながらもまだ――情と正義とが、割りきれずに、乱れ合っていた...
吉川英治 「新書太閤記」
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