...中天に冴え渡る月をそぞろに仰いだり...
谷譲次 「踊る地平線」
...」月はもう中天に漂っていた...
チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「女房ども」
...この隘路に、夕暮――日の光が消え、而もまだ提灯をつけるには早いという、昼と夜との合間の半端な薄闇の頃、ともすると、上方の茂みを貫いて、中天から、ぶらりと、大きな馬の足が一本垂れ下る……というのである...
豊島与志雄 「奇怪な話」
...その明るみが中天に差して...
豊島与志雄 「小さき花にも」
...その開いた扇を中天に抛(なげう)つ...
中里介山 「大菩薩峠」
...中天竺に阿育大王(あいくだいおう)とおっしゃる王様がございまして...
中里介山 「大菩薩峠」
...それからここを立ち出でて東照宮の方へ行く途中天海大僧正お手植の槙...
中里介山 「武州喜多院」
...土も凍る夜友と二人炭のない部屋にねむろうとしているわれらの「戦旗」がいま二三の女の手にカギが渡され必死のこぶしを彼らの靴先が踏みくだこうとしている友の夫 わたしの兄たちいく百の前衛は牢やいく千の兵士は満洲の戦場に狩り出され友と二人破れた雨戸の部屋にねむろうとしているガラスの窓に月が冴えて光る月は中天に輝々として...
中野鈴子 「月は中天に」
...そして一番太陽が中天に来る日だ...
野村胡堂 「古城の真昼」
...九月十三夜の月が中天に懸ると...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...月はやがて中天に昇りましたが...
野村胡堂 「猟色の果」
...中天王惜しんで与えそうもなきを見...
南方熊楠 「十二支考」
...紅日中天花未酔...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...なんと不幸にもその直後に谷中天王寺の自宅物置から出火...
山本笑月 「明治世相百話」
...――ときに陽(ひ)はもう中天(ちゅうてん)にあって...
吉川英治 「私本太平記」
...この暁闇(ぎょうあん)中天王山一番駈けは...
吉川英治 「新書太閤記」
...いとど中天に冴えて見えた二十日月(はつかづき)は...
吉川英治 「新書太閤記」
...しばらく中天に見えているであろう...
吉川英治 「新書太閤記」
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