...市廳の大時計のまはりに羽搏(はばたき)する鸛(こふ)の鳥は頸を中天にさし延ばして雨の水玉を喙に受けてる...
ルイ・ベルトラン Louis Bertrand 上田敏訳 「ハルレム」
...眼中天然物なきを常とする...
内村鑑三 「ヨブ記講演」
...同じ高さの中天に輝いていて...
海野十三 「三十年後の世界」
...中天にしずかにねむっていて風も死んでいた...
海野十三 「四次元漂流」
...自当下早送二于天一而授以中天上之事上...
高木敏雄 「比較神話学」
...午前七時頃に漸く山を離れた太陽はだん/\と中天に昇りつゝある...
高浜虚子 「落葉降る下にて」
...また、あそこのベンチに腰かけている白手袋の男は、おれのいちばんいやな奴で、見ろ、あいつがここへ現われたら、もはや中天に、臭く黄色い糞の竜巻が現われているじゃないか...
太宰治 「猿ヶ島」
...それが合掌したような形で中天に向かって延びて行く...
寺田寅彦 「柿の種」
...中天はまだ薄暗く見え...
豊島与志雄 「小さき花にも」
...その明るみが中天に差して...
豊島与志雄 「小さき花にも」
...中天たかくそそり立つ怪天魔の像は...
野村胡堂 「幻術天魔太郎」
...五日月はもう白々と中天に懸つて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...太陽は中天に赤くとどまっていた...
本庄陸男 「石狩川」
...最早敵は中天高く舞ひあがり...
牧野信一 「鵞鳥の家」
...月は中天にあるから濃い自分の影が足の前に落ちて居ります...
宮本百合子 「獄中への手紙」
......
横瀬夜雨 「花守」
...陽も中天の午(うま)の刻(こく)に近かった...
吉川英治 「三国志」
...陽(ひ)の中天の頃まで...
吉川英治 「新書太閤記」
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