...中天にしずかにねむっていて風も死んでいた...
海野十三 「四次元漂流」
...三 履中天皇の皇子...
稗田の阿礼、太の安万侶 「古事記」
...久しからずして、運命の波は、其方向を転じ、東天の黒雲を排して、赫々たる太陽の、その麗わしき姿を、中天に示し、生命の光を放って、地上の万物を恵むが如く、甞て逆境に沈淪して、前途殆んど、一点の光明を有せざりし神は、すべての困難を排し、凡ての障碍を破りて、国家生民の為めに国民の人文の為めに、次第に其偉大なる性質を発展するに至る...
高木敏雄 「比較神話学」
...仏告二比丘一、月天子宮殿、縦横正等四十九由旬、四面垣墻、七宝所レ成、月天子宮殿、純以二天銀天青瑠璃一而相間錯、二分天銀清浄無垢、光甚酔曜、余一分天青瑠璃、亦甚清浄表裏映徹、光明遠照云々、於二此月殿一、亦有二大輦一、青瑠璃成レ輦、高十六由旬、広八旬、月天子身与二諸天女一、住二此輦中一、嘗因二八月望夜一、師与二玄宗一遊二月宮一、聆二月中天楽一、問二其曲名一、謂二紫雲曲一、帰伝二其音一、名之曰二霓裳羽衣一、見レ有二仙人道士一、乗レ雲駕鶴、往来若二遊戯一、少焉歩向レ前、覚二翡翠色冷光、相射目眩一、極寒不レ可進、下見レ有二素娥十余人一、皆皓衣乗二白鶴一、往来舞二笑於広陵大桂樹之下一、又聴二楽音雑一、亦甚清麗、(中略)次夜皇欲二再求徃一レ天、師但笑謝、而不レ允、上皇因想二素娥風中飛舞袖被一、編レ律成レ音、製二霓裳羽衣舞曲一、自レ古泪レ今、無三復加二於是一矣、月中有二桂、高五百丈、下有一人一、常斧斫之、樹創随合、乃仙人呉剛也、今羽衣説話より、凡ての神仙説的分子を除去せば、残る所は次の如くなる可し...
高木敏雄 「比較神話学」
...中天の雲が薄らぎ...
豊島与志雄 「或る日の対話」
...佛書の中天台と慈恩と一行とは別に一格ある用意の書なり此の三書は尤も大事なり一行の書は易老子の如し慈恩の文は楊子法言太玄經の如し天台の書に又一格あり此の三書の格は甚深の口傳あるべし唯授一人の祕法なり筆示すべからず云々とあるは是れ其の獨得を言明せる者なり...
内藤湖南 「敬首和尚の典籍概見」
...虹中天に懸り宮溝(きゅうこう)の垂楊(すいよう)油よりも碧し...
永井荷風 「夕立」
...中天たかくそそり立つ怪天魔の像は...
野村胡堂 「幻術天魔太郎」
...火花の渦がムラ/\と中天に湧き上つて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...月はやがて中天に昇りましたが...
野村胡堂 「猟色の果」
...土は黒い雪のごとく中天に舞いあがり...
火野葦平 「糞尿譚」
...日は既に中天を遠く離れて...
牧野信一 「ゼーロン」
......
柳田国男 「故郷七十年」
...太陽は中天(ちうてん)に近づいてゐる...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集」
...ちょうど月の中天(ちゅうてん)にかかる頃...
吉川英治 「黒田如水」
...中天の龍みたいであった...
吉川英治 「私本太平記」
...自分の手で中天へ打ち揚げたのろしの煙が...
吉川英治 「新書太閤記」
...またたくまに、石垣をよじられ、堀をやぶられ、瓦礫(がれき)を抛(ほう)りこまれ、火を放たれ、中天の太陽が、くろ煙にかくれ出すと、城将丹羽氏重は、斬って出て戦死し、城兵のあらかたも、無残、悉(ことごと)く斬り死した...
吉川英治 「新書太閤記」
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