...時に絲川老人の宿つた夜は恰も樹木挫折れ...
泉鏡花 「遺稿」
...恰も最も著しい歴史性をもつものとして好んで取り扱いはしないか...
戸坂潤 「イデオロギーの論理学」
...恰もこの批判的方法である学問性がその在り方(Wesenheit)である処の学問は...
戸坂潤 「科学方法論」
...この特色は恰も非人称判断――その代表者は向の存在判断である――に於て破綻を生じなければならないからである...
戸坂潤 「空間概念の分析」
...恰も空間表象そのものを仮定してかかっている...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...カントが感心したのは恰もコペルニクスのこの実験的決定(experimentelle Entscheidung)の仕方だったのである...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...生物――有機体 Organismus という言葉の意味に注意せよ――が恰も之である...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...恰も方法というものになるのである...
戸坂潤 「思想としての文学」
...ヘーゲルはカントの理性を、まだ依然として悟性の段階に止まるものと見て、之を形而上学乃至機械論の代表者と見立て、之に本当の理性のディアレクティクを対立させたが、恰も之は、カントが批判し脱却しようと力めた啓蒙主義の特有な合理主義・矛盾律中心主義に対する判然とした批判を意味している...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...処がこのような広い意味に於ける不可侵透性は恰も吾々が「可感的な実在」と呼んであるものに相当する...
戸坂潤 「範疇としての空間に就いて」
...恰も生理的な不快に襲はれでもしたかのやうに...
堀辰雄 「春日遲々」
...恰も物覚えの悪い役者が...
牧野信一 「歌へる日まで」
...白秋さんが、三崎から小田原へ移つて何年か經ち、恰も、千鳥の唄をつくられて間もないころではなかつたらうか...
牧野信一 「城ヶ島の春」
...恰もそれは、わたしがいつもたつたひとりで、森蔭の径や川のほとりをさ迷うとして、途中まで出かけて、意気地なくも慌てゝ引き返すと、しやにむに酒をあをつてしまはずには居られないといふやうな思ひであつた...
牧野信一 「痩身記」
...恰も私が、一刻前に山崎からの批評の報告を聞いて、「それは痛い!」と叫んだ時の仰天さと変りがなかつたのである...
牧野信一 「素書」
...恰も森を住家とする者の如く穩なる面持は住むべき世も持たず歸るべき家も持たぬ...
正岡子規 「花枕」
...恰も斯くの如きものとして...
三木清 「唯物史観と現代の意識」
...恰も權利の如くにそれを要求したのでした...
水野仙子 「道」
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