...293P.2361.彼は恰も何等おそれるものがないかの如くに語る...
關口存男 「新獨逸語文法教程解説」
...ヘーゲルこそはゲルマーネン哲学の代表的な最後の組織者であったが(後を見よ)、恰も彼によれば、世界史はゲルマン民族の民族精神実現のための遍路に外ならなかった...
戸坂潤 「イデオロギー概論」
...世界は恰もこのような意味に於て時間を含んだ物理的空間であるのである...
戸坂潤 「科学方法論」
...それは恰もビラやポスターのように...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...恰も感官感覚から遠ざかっているものは言葉によって表現される概念である...
戸坂潤 「思想としての文学」
...処で空間は恰もこのような先験性を有たなければならない...
戸坂潤 「範疇としての空間に就いて」
...「松本君はどうして来ないんだ?」彼女は恰もその問を待っていたかのように...
豊島与志雄 「或る男の手記」
...明治四十二年再遊の際わたしは疏(そ)水工事の竣成と共に河原の夕涼の恰もその前年より廢止せられた事を聞き...
永井荷風 「十年振」
...特種の情調なき都會の興趣に乏しきは恰も品性なき人物と面接するに同じである...
永井荷風 「十年振」
...結末二句は時恰も...
中村憲吉 「頼杏坪先生」
...唐人川尻の汲棄場は、恰も、塵芥取り部落の外れであって、さなきだに、各種の紛擾(ふんじょう)の絶え間のない両者の間に、また一つの紛擾の種を蒔(ま)いたようなものであったが、外に適当な場所もなく、浄化装置の市立汲棄場が間もなく出来ることになって居り、それまでということで、現在もなお、そのままになっているのであった...
火野葦平 「糞尿譚」
...恰も帝室に頡頏するが如くに見へ...
福沢諭吉 「帝室論」
...さういふ僕たちを恰も慈(いつくし)むかのやうに...
堀辰雄 「山日記 その二」
...男の首がごろごろとしてゐるアトリヱの壁を透す斑らな光りの中で音楽家も彫刻家も小説家も恰も虚空の広場に輪となつてカロルの祈りをあげてゐる如く黙々としてゐた...
牧野信一 「心象風景(続篇)」
...おとなしい私に恰も憎むべき罪があるかのように軽蔑の後ろ指をさして...
牧野信一 「ゼーロン」
...恰もこのものがそれをして自己矛盾をおのづから犯さしめる...
三木清 「唯物史観と現代の意識」
...霊枢年忌の論は恰も我俗に所謂厄年と符してゐる...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...恰も感覚的生活がより速に滅びるように...
横光利一 「新感覚論」
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