...恰も其筋肉が急に弛緩したかのやうに...
テオフィル・ゴーチエ Theophile Gautier 芥川龍之介訳 「クラリモンド」
...恰も無量の液体が流れて居る如くである...
丘浅次郎 「固形の論理」
...293P.2361.彼は恰も何等おそれるものがないかの如くに語る...
關口存男 「新獨逸語文法教程解説」
...此處では已に幾多の人が呼吸を引取つたかも知れない傳染病室も今迄の暗い不潔な八疊に比べて恰も宮殿のやうな心持がした...
高濱虚子 「續俳諧師」
...其有樣は恰も彗星が燦然として天體に現はれて來たやうなもので...
竹越與三郎 「日本の眞の姿」
...恰も忙しい商人のように諸所方々を旅行して居るようでした...
谷崎潤一郎 「金色の死」
...恰もそれがまつたく僞であることを私がはつきり知つてゐるのと同じやうに...
デカルト Renati Des-Cartes 三木清訳 「省察」
...処がこのイデオロジーの哲学史上の役割は、恰も、コンディヤックの感覚主義をば或る意味では之と全く反対の極に立っているメヌ・ド・ビランの主意的観念論――直覚主義――にまで媒介する契機に相当していなければならなかったから、本来或る意味で唯物論的な――尤もフランス風の機械論的唯物論にぞくするのであるが――出発を有っていたこのイデオロジーも、おのずからその特色を変更せざるを得なくなってきた...
戸坂潤 「イデオロギー概論」
...恰も今云った意味に於ける――他の意味に於てはそうでないにしても――生物学主義に外ならない...
戸坂潤 「イデオロギー概論」
...だから、ブルジョア科学に於ても、恰も、社会と意識とのこの連関を問題とする処の一つの科学が必要とならざるを得ない...
戸坂潤 「イデオロギー概論」
...その唯物論の極めて「自然」的な立場を恰も自分の仮定として想定する自然科学は...
戸坂潤 「科学論」
...之は恰も自然の現実そのもの――決して単にその可能態だけではなく――を凡て機械的因果律によって説明することを使命としている機械的因果律の Abgeschlossenheit(完全性)という要求と...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...恰も吾々が直観と云う時それは一応は概念でなければならないのにも関らず...
戸坂潤 「範疇としての空間に就いて」
...そして私の云う存在が恰も空間をば常識的に含蓄している...
戸坂潤 「範疇としての空間に就いて」
...スリー……何々何々! と恰も銀鈴のやうに澄み渡つた号令をかけ...
牧野信一 「舞踏学校見物」
...これら種々の可能なる行爲と態度は恰もそれだけ種々なる...
三木清 「唯物史観と現代の意識」
...そしてアントロポロギーはこの人間の存在が恰もその交渉の仕方に應じて直接に自己の本質を把握することによつて夫々特殊なる形態に於て成立してゐるが故に...
三木清 「唯物史観と現代の意識」
...「少年世界」は恰も我が小學へ通ひ初(そ)めし頃世に出でたれば...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
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