...ちょいとこれで結わえて下さいな」親指の中ほどで疵(きず)は少しだが...
伊藤左千夫 「野菊の墓」
...右手の太い指を延ばして帳簿の天頂(てっぺん)から長くはみ出している仕切紙をたよりにして帳簿のまん中ほどをぽんと開いた...
海野十三 「鞄らしくない鞄」
...その砂の中ほどに...
江戸川乱歩 「サーカスの怪人」
...中ほどの右側を指して...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「蛇性の執念」
...越後の海浜(かいひん)八十里の中ほどに独立(どくりう)して山脉(さんみやく)いづれの山へもつゞかず...
京山人百樹刪定 「北越雪譜」
...五十九行田の町の中ほどに西洋造(せいようづく)りのペンキ塗(ぬ)りのきわだって目につく家(うち)があった...
田山花袋 「田舎教師」
...そしてハーリィ街を中ほどまで下ると...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 三上於菟吉訳 「患者兼同居人」
...薄暗い階段の中ほどに...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...ちょうど土間の中ほどに陣どって見物をしていた信州川中島の上月(こうづき)というのが...
中里介山 「大菩薩峠」
...その中ほどのところに...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...あるいはこれに近い中舌母音(舌の中ほどを高くして発する音)であるとし(金田一氏)...
橋本進吉 「国語音韻の変遷」
...恰度(ちょうど)川の中ほどにあたって...
原民喜 「夏の花」
...沼の真中ほどのところが急にザワザワと波立ちはじめ...
久生十蘭 「地底獣国」
...三本に枝分かれした中ほどのそれぞれに...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「黄金薔薇」
...幕の前の中ほどにあるピアノに座を占めた時...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ルイスヒェン」
...カステラ鍋の方は全体が銅で白身を敷いてあって上は被(かぶ)せ蓋(ぶた)で蓋の中ほどが一段低く出来ていますけれども田舎で使うには厚いブリキの箱へ蓋を載(の)せるようにすれば沢山です...
村井弦斎 「食道楽」
...入江の中ほどに來ると...
若山牧水 「樹木とその葉」
...初めに隆起して中ほどに沈み...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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