...父なる人も並々の武士にはあらで却(かえ)りてこれを嬉(うれ)しと思ひたり...
内田魯庵 「二葉亭四迷の一生」
...並々ならぬ苦心をして...
海野十三 「鍵から抜け出した女」
...並々ならぬこの辛抱づよさというものを...
海野十三 「地獄の使者」
...並々の手際(てぎわ)ではないよ」彼はそう云って...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...つまり身の入れ方が並々でなく...
大下宇陀児 「乱歩分析」
...したがって並々ならずわたしの豆と親しくなった...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...並々ならぬ才能と見做(みな)す先輩はあわれむべき哉...
太宰治 「如是我聞」
...半衿(はんえり)一つ白粉(おしろい)一壜(びん)買うにも並々ならぬ苦心があり...
徳田秋声 「縮図」
...並々の容色と見えれば...
長谷川時雨 「樋口一葉」
...コップに並々とついだ...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...作者の並々ならぬ手腕を偲ばせるところもあるが...
平林初之輔 「当選作所感」
...あの人の性格に並々ならぬいい所があることを気づいた人は...
平林初之輔 「華やかな罪過」
...「実際ロンドンのもっている詩を認識することは並々ならぬことである...
平林初之輔 「二つの文学論」
...なにかしらひどく並々でないところがあった...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「メールストロムの旋渦」
...ヴォルフの対象への並々ならぬ愛として結果しているものの裏づけである主観の謙抑や隅々まで自覚され支配されている客観の力を考えると...
宮本百合子 「ヴォルフの世界」
...私たちの結びつきの並々ならぬ意味も活かされるであろうし...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...並々ならぬ才能を有つ同君の仕事が...
柳宗悦 「和紙十年」
...その下の白大理石の床の上には水銀を並々と湛えたデアボロ型の硝子(ガラス)振子が悠々閑々と廻転している...
夢野久作 「暗黒公使」
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