...彼女は両袖に秘密を抱えている...
...両袖に風を抱えて海を眺める...
...彼は両袖を振りかざして歩いていった...
...雨に濡れた両袖を乾かすために、彼は窓辺にひとり立っていた...
...あの人は両袖から不正を働いていたことが発覚した...
...両袖(りょうそで)で顔を抑(おさ)えて物を念じるようにした...
有島武郎 「或る女」
...と突然貞世が両袖(そで)を顔にあてたと思うと...
有島武郎 「或る女」
...とうとう浴衣の袖で、素早く顔の汗を拭い、また少し歩いては、人に見つからぬよう、さっと袖で拭い拭いしているうちに、もう、その両袖ながら、夕立に打たれたように、びしょ濡れになってしまいました...
太宰治 「愛と美について」
...私は胸に両袖を合せて帰りました...
太宰治 「誰も知らぬ」
...待合所の中に両袖を前に畳み合して腰掛けていた婆さんが...
豊島与志雄 「微笑」
...両袖で蔽うようにして...
豊島与志雄 「三つの悲憤」
...口腔は熱し二重廻しの両袖が興奮から蝶の羽根の如く微かに震動して居りました...
西尾正 「陳情書」
...『立ち帰りこは我も木陰に』と右へ廻り、『いざ立ちより磯馴松』と作物の松の側に寄り添ひ、松に両袖かけて、『なつかしや』と涙を流す...
野口米次郎 「能楽論」
...両袖や文字違いなどいう...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...紙雛(かみびな)のように両袖(りょうそで)を胸に合わせて眼を細めて空を見ているではないか...
林芙美子 「魚の序文」
...王は服の両袖だけを腕にはめて...
久生十蘭 「泡沫の記」
...劇場の前や、舞台の両袖、花道にまで、無数といってもよい花輪がかざられ、そのなかには、それぞれ、ひいきの芸者を名ざしにしたものも多かった...
火野葦平 「花と龍」
...両袖が肱の辺でぽっかり口をあいて...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...おしのは両袖へ手を入れ...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...両袖を重ねて突伏すと...
夢野久作 「斬られたさに」
...左手で両袖を抱えつつ...
夢野久作 「復讐」
...装束の両袖を大きく開いて...
吉川英治 「私本太平記」
...下の者は、呆(あき)れ顔(がお)をして、「早く、下りておいでなさい」「行くぞっ」遮那王は、凧(たこ)のように、両袖をひろげて、丘の上から姿勢をとって、「ぶつかっても、知らないぞ――」丘のうえから、鞠(まり)をころがすように、駈け下りてきた...
吉川英治 「親鸞」
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