...吾妻橋、厩橋(うまやばし)、両国橋の間、香油のような青い水が、大きな橋台の花崗石(かこうせき)とれんがとをひたしてゆくうれしさは言うまでもない...
芥川龍之介 「大川の水」
...たとえ、両国橋、新大橋、永代橋(えいたいばし)と、河口に近づくに従って、川の水は、著しく暖潮の深藍色(しんらんしょく)を交えながら、騒音と煙塵(えんじん)とにみちた空気の下に、白くただれた目をぎらぎらとブリキのように反射して、石炭を積んだ達磨船(だるまぶね)や白ペンキのはげた古風な汽船をものうげにゆすぶっているにしても、自然の呼吸と人間の呼吸とが落ち合って、いつの間にか融合した都会の水の色の暖かさは、容易に消えてしまうものではない...
芥川龍之介 「大川の水」
...今ではもう両国橋を後にして...
芥川龍之介 「開化の良人」
...両国橋(りやうごくばし)をくぐつて来た川蒸汽はやつと浮き桟橋へ横着けになつた...
芥川龍之介 「本所両国」
...江戸の東を流るる大川に架けられた両国橋の袂(たもと)だった...
海野十三 「くろがね天狗」
...吾妻橋(あずまばし)両国橋(りょうごくばし)等の眺望は今日の処あまりに不整頓にして永代橋におけるが如く感興を一所に集注する事が出来ない...
永井荷風 「日和下駄」
...両国橋を渡りかかると...
中里介山 「大菩薩峠」
...これはこれは両国橋の太夫さん」福兄と言われた大奴は...
中里介山 「大菩薩峠」
...両国橋の女軽業の何とやらのお角さんといえば...
中里介山 「大菩薩峠」
...江戸の人気の幾部分を両国橋の自分の小屋へ吸いとることに...
中里介山 「大菩薩峠」
...両国橋から参りましたとお伝え下さいまし」「はい...
中里介山 「大菩薩峠」
...哀れ深い縄付の後ろ姿を見送って、お静の重い足は、両国橋を渡って、自分の家――平次の留守中近所の耳の遠い婆さんを頼んで留守番をさしている家――へ急ぎました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...ゆうべ両国橋の上から大川へ投(ほう)り込まれたんです」「死んだのかい」「死にはしません...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...両国橋のあたりで待っているがいい」「親分は?」「俺も後から行く...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...北へ行けば、両国橋か千歳橋...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...「玉屋」「鍵屋」そのたび、両国橋上では、数万の人声が、喚(わめ)きたてた...
正岡容 「圓朝花火」
...そのとき両国橋は...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...両国橋の上に立って...
夢野久作 「街頭から見た新東京の裏面」
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