...6妥協を忌む、孤立を忌む、狷介を忌む...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...靜子と縁談の持上つてゐる松原家の三男の狷介(けんすけ)とは小さい時からの親友で...
石川啄木 「鳥影」
...狷介なんかも兄貴に絶交して遣らうなんて云つてゐた...
石川啄木 「鳥影」
...持って生れた狷介と懶惰とズボラとは爰(ここ)でも永続(ながつづ)きがしないで...
内田魯庵 「硯友社の勃興と道程」
...ゆえに教派的の嫌悪文字的の貶評は彼の辞せざるところなりもしこの「狷介奇僻」の著にしてなお同胞を慰むるの具たるを得ば著者は感謝して止まざるなり...
内村鑑三 「基督信徒のなぐさめ」
...孤高狷介のこの四十歳の天才は...
太宰治 「ダス・ゲマイネ」
...故人のそう云う狷介(けんかい)な性質が...
谷崎潤一郎 「細雪」
...本来は至極内気な、義理がたい、臆病といつてよいほどに用心深く、気の小さい、併しながら頗る見識高い、折々は人に憎まれるほど高慢のほのめく、親分や兄分になることを好く、狷介な、選り好みの何に附けてもむづかしい、さりとて面と向つては、至つて口数の寡い、優しい、おとなしい、ひよろ/\と痩せた、色の白い、目元に愛嬌のある、白い歯をチラと出して、冷かに笑ふ口元に忘れられぬ特質のある、先づは上品な下町式の若旦那であつた...
坪内逍遙 「斎藤緑雨と内田不知菴」
...「イゴッソー」というのは郷里の方言で「狷介(けんかい)」とか「強情」とかを意味し...
寺田寅彦 「自由画稿」
...隴(ろう)西の李徴は博學才穎(さいえい)、天寶の末年、若くして名を虎榜(こぼう)に連ね、ついで江南尉に補せられたが、性、狷介、自ら恃む所頗る厚く、賤吏に甘んずるを潔しとしなかつた...
中島敦 「山月記」
...狂者ハ進ンデ取リ狷者(ケンジャ)ハ為(ナ)サザル所アリ とかいうのが...
中島敦 「弟子」
...狷之介の顔にはサッと忿怒(ふんぬ)が一と刷毛(はけ)彩られます...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...狷之介に相違ないと思うところだが...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...狷之介の顏にはサツと忿怒が一と刷毛(はけ)彩(いろど)られます...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...狷之介はすつかり油を絞られた形です...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...亡くなった内儀さんへの一種の狷介な心からである...
矢田津世子 「神楽坂」
...狷介(けんかい)不覊(ふき)なところがある...
吉川英治 「剣の四君子」
...慨世(がいせい)の気があり過ぎてかえって世に容(い)れられぬ狷介(けんかい)の男どもだ...
吉川英治 「新・水滸伝」
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