...世捨て人のようにだらりと寂しく部屋(へや)のすみの帽子かけにかかったままになっていた...
有島武郎 「或る女」
...さま/″\な移り変りの末に世捨て人となって佛に仕えている現在の母は...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...まことに世捨て人のごとく...
長谷川時雨 「渡りきらぬ橋」
...絶望的な世捨て人の境界(きやうがい)にはいる事もなかつたであらう...
林芙美子 「浮雲」
...世捨て人がしばしば被害者になりかねん...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「ギルレイ」
...時々この男が司祭と世捨て人の間で揺れ動いている証拠だ...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「道化玉座」
...自称ベイツとか何とか言って世捨て人の振りをして...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「謎の四つ指」
...くわしいことは世捨て人の私に想像ができませんでございました...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...どうしてそんな世捨て人の心にこんな望みの楼閣が建てられたのであろうと...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...いよいよ世捨て人らしいふうを見せて...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...世捨て人になって...
山本周五郎 「菊千代抄」
...世捨て人になるつもりで来たのだ...
山本周五郎 「菊千代抄」
...山野の世捨て人で...
吉川英治 「三国志」
...「世捨て人にも、災難はやって来るのか?」するとふと、彼の襟くびの辺に、ふんわりと、あたたかな物がさわった...
吉川英治 「私本太平記」
...――法師めかしながら世の法師でもなし」「おそれいります」「ひたぶるな世捨て人といいながら...
吉川英治 「私本太平記」
...……しかしただそれだけで、この大蔵が、飼いごろしにされて間尺(ましゃく)に合うものじゃあねえ」「だけど、あの世捨て人が、なんだってまた、そんなに戦のもようを知りたがるのか...
吉川英治 「私本太平記」
...このまま世捨て人となるおつもりだろうか」「さあ...
吉川英治 「私本太平記」
...自分は世捨て人である...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
便利!手書き漢字入力検索