...その取つてつけた樣な不調和な玄關には...
石川啄木 「鳥影」
...そんなことは一切合財考えなしで随分可笑(おか)しな不調和な扮装(つくり)をしている人が沢山あるようです...
上村松園 「好きな髷のことなど」
...こうした真剣な話に伴うシンミリした気分とに極めて不調和な下司(げす)な女の軽い上調子(うわっちょうし)が虫唾(むしず)が走るほど堪(たま)らなく不愉快だった...
内田魯庵 「二葉亭余談」
...こういう連中さえもこの頃では別に不調和な訪問者とも思わなくなった...
高浜虚子 「丸の内」
...不調和な顔はまだ見たことがありません...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...不調和な二人連れの不思議な男たちの不思議な話がいまだにサセックスのあのせまい海岸附近で語り伝えられている...
G・K・チェスタートン G. K. Chesterton 村崎敏郎訳 「手早い奴」
...室全体が不調和な雑音を立てている...
豊島与志雄 「坂田の場合」
...妙に不調和な雰囲気を作って人の心を唆かした...
豊島与志雄 「田原氏の犯罪」
...日常かかる不調和な市街の光景に接した目を転じて...
永井荷風 「日和下駄」
...其所(そこ)に手荒で変に不調和なものが露(あら)われているようです...
「木下杢太郎著『唐草表紙』序」
...彼は少し失望したような眼をしてこの不調和な配合を眺めた...
夏目漱石 「道草」
...毬栗頭(いがぐりあたま)のつんつるてんの乱暴者が恐縮しているところは何となく不調和なものだ...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...ウィルヘルム公の一風変った礼拝堂(らいはいどう)の不調和なオルガンで初演された...
野村胡堂 「楽聖物語」
...不調和な家具調度が...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...これは恐ろしい不調和な大金です...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...この小屋に不調和な近代風の洋装をした断髪の婦人が...
牧野信一 「心象風景」
...間に合わせらしい不調和な赤ネクタイを締めていながらも...
夢野久作 「女坑主」
...不調和な滑けい感を覚える以前に...
吉川英治 「文化の日」
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