...彼らのよろこんで歌おうとする歌とは不調和な琴の音ばかりであった...
岡倉覚三 村岡博訳 「茶の本」
...室全体が不調和な雑音を立てている...
豊島与志雄 「坂田の場合」
...不調和な種々の声音もたがいに融(と)け合ってしまっていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...それらのうちには死と不調和なものがあった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...その両者が不調和な対照をなしていた...
豊島与志雄 「別れの辞」
...建築と周囲の風景樹木等の不調和なる事である...
永井荷風 「日和下駄」
...日常かかる不調和な市街の光景に接した目を転じて...
永井荷風 「日和下駄」
...絨毯とは不調和な位置に筋(すじ)かいに尾を長くひいている...
夏目漱石 「三四郎」
...不調和な異(い)な物に出逢った感じよりも...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...彼は少し失望したような眼をしてこの不調和な配合を眺めた...
夏目漱石 「道草」
...まことに不調和なことに...
西尾正 「放浪作家の冒険」
...いかにあの麥稈は不調和なるかな! 僕は第一にソーダ水から...
萩原朔太郎 「ラムネ・他四編」
...寧ろ内容とは不調和な感じであつた...
牧野信一 「月評」
...不調和な社会状態のうちに生活しているわれわれ...
宮本百合子 「男…は疲れている」
...落ちくぼんでいながらとび出しているような感じのする眼つきとが衰えた躯つきとは不調和なほど精悍(せいかん)な...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...間に合わせらしい不調和な赤ネクタイを締めていながらも...
夢野久作 「女坑主」
...また甚だしく不調和なものであつた...
與謝野寛・與謝野晶子 「満蒙遊記」
...不調和な滑けい感を覚える以前に...
吉川英治 「文化の日」
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