...彼は唯一箇の不調和な形を具へた肉の斷片である...
石川啄木 「雲は天才である」
...その矯正や改善はとても見込みがないと私がとうに知っているあの不調和な混合体なのであった...
スティーヴンスン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「ジーキル博士とハイド氏の怪事件」
...現代にはいかにも不調和な白ちゃけた...
チェスタートン Chesterton 直木三十五訳 「サレーダイン公爵の罪業」
...なんとなくこせこせした不調和な継ぎ合わせもののように見えた...
寺田寅彦 「写生紀行」
...不調和なものが其処に在る...
豊島与志雄 「過渡人」
...その最も不調和なるは赤坂(あかさか)紀(き)の国坂(くにざか)の往来に越す処はあるまい...
永井荷風 「日和下駄」
...建築と周囲の風景樹木等の不調和なる事である...
永井荷風 「日和下駄」
...その不調和な音が切っ立った石垣に突き当って...
夏目漱石 「坑夫」
...今夜ここに落ち合った不調和な三人の会合に...
夏目漱石 「明暗」
...不調和な都会風は...
萩原朔太郎 「石段上りの街」
...能率化してきた現代人の生活と不調和な存在になってきたからだというのである...
平林初之輔 「文芸は進化するか、その他」
...その効果は小胆なる者にとってのみ不調和なものなのだ...
エドガア・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「しめしあわせ」
...妙に不調和な笑い声とも鬨の声ともつかぬどよめきが起って...
牧野信一 「鬼涙村」
...総てこの辺の不調和なる事言語道断なり...
正岡子規 「明治卅三年十月十五日記事」
...落ちくぼんでいながらとび出しているような感じのする眼つきとが衰えた躯つきとは不調和なほど精悍(せいかん)な...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...もしくは不調和な表現ほど能らしい...
夢野久作 「能とは何か」
...姿とはやや不調和な...
吉川英治 「剣難女難」
...極めて不調和なく...
吉川英治 「新書太閤記」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??