...彼は唯一箇の不調和な形を具へた肉の斷片である...
石川啄木 「雲は天才である」
...その取てつけた様な不調和な玄関には...
石川啄木 「鳥影」
...義雄は不調和な燥音だと考へたに反し...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...その矯正や改善はとても見込みがないと私がとうに知っているあの不調和な混合体なのであった...
スティーヴンスン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「ジーキル博士とハイド氏の怪事件」
...こういう連中さえもこの頃では別に不調和な訪問者とも思わなくなった...
高浜虚子 「丸の内」
...なんとなくこせ/\した不調和な繼ぎ合せものゝやうに見えた...
寺田寅彦 「寫生紀行」
...矢島さんはもっと近い自分のまわりに何か不調和なものを感じていた...
豊島与志雄 「過渡人」
...不調和な種々の声音もたがいに融(と)け合ってしまっていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...それらのうちには死と不調和なものがあった...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...その不調和な音が切っ立った石垣に突き当って...
夏目漱石 「坑夫」
...まことに不調和なことに...
西尾正 「放浪作家の冒険」
...ウィルヘルム公の一風変った礼拝堂(らいはいどう)の不調和なオルガンで初演された...
野村胡堂 「楽聖物語」
...何んとなく不調和な感じを持たせるのは何んとしたことでせう...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...能率化してきた現代人の生活と不調和な存在になってきたからだというのである...
平林初之輔 「文芸は進化するか、その他」
...落ちくぼんでいながらとび出しているような感じのする眼つきとが衰えた躯つきとは不調和なほど精悍(せいかん)な...
山本周五郎 「五瓣の椿」
...もしくは不調和な表現ほど能らしい...
夢野久作 「能とは何か」
...姿とはやや不調和な...
吉川英治 「剣難女難」
...極めて不調和なく...
吉川英治 「新書太閤記」
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