...不覚にも彼は躊躇してしまつたのである...
芥川多加志 「四人」
...不覚にも私は思わず両手で眼をおおうた...
梅崎春生 「風宴」
...不覚にも睡ってしまった...
海野十三 「幽霊船の秘密」
...」不覚にも蒼ざめている...
太宰治 「古典風」
...私は不覚にも、鏡の中で少女に笑いかけてしまった...
太宰治 「美少女」
...認識というカテゴリーと、生産というカテゴリーとは、不覚にも、旧来の論理学では連絡がついていなかった...
戸坂潤 「生産を目標とする科学」
...不覚にも自分から娘のほうを見やる...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...不覚にも眼に涙をためていたのだ...
豊島与志雄 「祭りの夜」
...「姉上を、不覚にも、手にかけて、只今、あの墓へ――あの墓へ、綱手殿の形見の鏡を――肌身放さずに持っておった鏡を、埋めて――そら」月丸は、微笑して、両手を、突き出して、指を拡げた...
直木三十五 「南国太平記」
...不覚にも彼は、がばッと前のめりにぶッ倒れた...
本庄陸男 「石狩川」
...実に不覚にも訓練が届いていなかった...
牧逸馬 「運命のSOS」
...不覚にも左の義眼のことを忘却して手荒く突いた...
牧野信一 「水車小屋の日誌」
...不覚にもまたポロポロと大粒の涙が溢(あふ)れ...
正岡容 「寄席」
...曹操は、何思ったか、「全軍、止れ!」と、急に命じ、行軍主簿(こうぐんしゅぼ)を呼んでいうには、「今、不覚にも自分は、みずから法令を出して、その法を犯してしまった...
吉川英治 「三国志」
...孔明不覚にもそれがしの降伏を深く信じて...
吉川英治 「三国志」
...不覚にも道から崖下へ蹴落されていたことでもあるのだ...
吉川英治 「私本太平記」
...ところで兄上は」「不覚にも...
吉川英治 「新・水滸伝」
...不覚にも、私はその一本を長く借覧中、写真まで撮(と)っておきながら、奥付の印行書林の名や、上梓された年代をつい記録しておかなかった...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
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