...不覚にも彼は躊躇してしまつたのである...
芥川多加志 「四人」
...君の目には不覚にも熱い涙が浮かんで来た...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...不覚にも下半身においてある種の生理現象を...
梅崎春生 「ボロ家の春秋」
...」不覚にも蒼ざめている...
太宰治 「古典風」
...不覚にも私は、ずるずる幹づたいに滑り落ちた...
太宰治 「猿ヶ島」
...不覚にも丙種であった...
太宰治 「律子と貞子」
...不覚にもまた涙をこぼした...
豊島与志雄 「死ね!」
...私は不覚にもそれを知らない...
中島敦 「虎狩」
...彼女は不覚にも涙を流したのだった...
久生十蘭 「金狼」
...モンテナナ国王は不覚にも見えなかった...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「道化玉座」
...不覚にも彼は、がばッと前のめりにぶッ倒れた...
本庄陸男 「石狩川」
...その輪の中心に不覚にも洩らしてしまった柏原富次が...
本庄陸男 「白い壁」
...(中略)あれを思ひこれを思ひ不覚にも過したる酒の...
牧野信一 「淡雪」
...不覚にも左の義眼のことを忘却して手荒く突いた...
牧野信一 「水車小屋の日誌」
...不覚にも許は、戦わないうちに、痛手をうけたのみか、どうと馬からころげ落ちた...
吉川英治 「三国志」
...不覚にも彼さえつかれはてていた...
吉川英治 「新・水滸伝」
...(丈八のことだ――)十分大丈夫と見て、彼の為(す)ることを見すまして笑いながら戻って来るのを待っていたのであるが、その丈八が、勢に乗って追い捲(ま)くってゆくうちに、不覚にも、畷(なわて)のそばの畦川(あぜがわ)へ、飛沫(しぶき)をあげて片足を踏み辷(すべ)らせていた...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...不覚にも、私はその一本を長く借覧中、写真まで撮(と)っておきながら、奥付の印行書林の名や、上梓された年代をつい記録しておかなかった...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
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