...不覚にも彼は躊躇してしまつたのである...
芥川多加志 「四人」
...不覚にも睡ってしまった...
海野十三 「幽霊船の秘密」
...不覚にもまるで気づかなかった...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...その有様を見ているうちに、さすがに私も、この弟子たちと一緒に艱難(かんなん)を冒して布教に歩いて来た、その忍苦困窮の日々を思い出し、不覚にも、目がしらが熱くなって来ました...
太宰治 「駈込み訴え」
...而(しか)も不覚にも女に事情を知らしてやるのを怠(おこた)ったので...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...認識というカテゴリーと、生産というカテゴリーとは、不覚にも、旧来の論理学では連絡がついていなかった...
戸坂潤 「生産を目標とする科学」
...不覚にも涙をこぼした...
豊島与志雄 「或る男の手記」
...彼は不覚にも気付かなかった...
豊島与志雄 「電車停留場」
...不覚にも言葉尻が濁るのを...
中里介山 「大菩薩峠」
...私は不覚にもそれを知らない...
中島敦 「虎狩」
...不覚にも理性を失った...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「煉獄」
...不覚にも左の義眼のことを忘却して手荒く突いた...
牧野信一 「水車小屋の日誌」
...今でも私もつい不覚にも涙ぐんで来る...
水野葉舟 「かたくり」
...その目的を不覚にも観破(かんぱ)できなかった...
吉川英治 「上杉謙信」
...――たしか、相手は、三人ほどと覚えたが、不覚にも、そのまま自分は、昏倒(こんとう)したものとみえる」――それから、どこへ運ばれて来たか...
吉川英治 「大岡越前」
...その足ですぐ彼が龍王山の陣地へ急いで行ったことは、不覚にも、日幡景親の手勢は気づかなかった...
吉川英治 「新書太閤記」
...ところで兄上は」「不覚にも...
吉川英治 「新・水滸伝」
...浪華(なにわ)の御合戦の際、暗夜とはいえ、不覚にも、私は楠木勢のために、擒人(とりこ)となりました...
吉川英治 「日本名婦伝」
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