...君の目には不覚にも熱い涙が浮かんで来た...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...――不覚にも、聞いておらねえ...
李孝石 「蕎麦の花の頃」
...不覚にもまるで気づかなかった...
江戸川乱歩 「黄金仮面」
...而(しか)も不覚にも女に事情を知らしてやるのを怠(おこた)ったので...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...不覚にもわな/\するばかりで...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...彼は不覚にも気付かなかった...
豊島与志雄 「電車停留場」
...不覚にも眼に涙をためていたのだ...
豊島与志雄 「祭りの夜」
...不覚にも言葉尻が濁るのを...
中里介山 「大菩薩峠」
...(中略)あれを思ひこれを思ひ不覚にも過したる酒の...
牧野信一 「淡雪」
...不覚にも左の義眼のことを忘却して手荒く突いた...
牧野信一 「水車小屋の日誌」
...不覚にもまたポロポロと大粒の涙が溢(あふ)れ...
正岡容 「寄席」
...今でも私もつい不覚にも涙ぐんで来る...
水野葉舟 「かたくり」
...――たしか、相手は、三人ほどと覚えたが、不覚にも、そのまま自分は、昏倒(こんとう)したものとみえる」――それから、どこへ運ばれて来たか...
吉川英治 「大岡越前」
...不覚にも道から崖下へ蹴落されていたことでもあるのだ...
吉川英治 「私本太平記」
...その足ですぐ彼が龍王山の陣地へ急いで行ったことは、不覚にも、日幡景親の手勢は気づかなかった...
吉川英治 「新書太閤記」
...不覚にも彼さえつかれはてていた...
吉川英治 「新・水滸伝」
...ところで兄上は」「不覚にも...
吉川英治 「新・水滸伝」
...不覚にも、私はその一本を長く借覧中、写真まで撮(と)っておきながら、奥付の印行書林の名や、上梓された年代をつい記録しておかなかった...
吉川英治 「随筆 宮本武蔵」
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