...不覚にも彼は躊躇してしまつたのである...
芥川多加志 「四人」
...不覚にも心持ち戦(ふる)えるのを感じた...
有島武郎 「星座」
...不覚にも尾上松之助はぼうつとぼやけて了ひ...
武田麟太郎 「釜ヶ崎」
...」不覚にも蒼ざめている...
太宰治 「古典風」
...不覚にもわな/\するばかりで...
谷崎潤一郎 「少将滋幹の母」
...不覚にも自分から娘のほうを見やる...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...不覚にも眼に涙をためていたのだ...
豊島与志雄 「祭りの夜」
...「姉上を、不覚にも、手にかけて、只今、あの墓へ――あの墓へ、綱手殿の形見の鏡を――肌身放さずに持っておった鏡を、埋めて――そら」月丸は、微笑して、両手を、突き出して、指を拡げた...
直木三十五 「南国太平記」
...その二十八個目を三階の階段の七段目まで持ち上げたところで不覚にも眼を廻し...
久生十蘭 「ノンシャラン道中記」
...不覚にも彼は、がばッと前のめりにぶッ倒れた...
本庄陸男 「石狩川」
...その輪の中心に不覚にも洩らしてしまった柏原富次が...
本庄陸男 「白い壁」
...実に不覚にも訓練が届いていなかった...
牧逸馬 「運命のSOS」
...(中略)あれを思ひこれを思ひ不覚にも過したる酒の...
牧野信一 「淡雪」
...不覚にも左の義眼のことを忘却して手荒く突いた...
牧野信一 「水車小屋の日誌」
...今でも私もつい不覚にも涙ぐんで来る...
水野葉舟 「かたくり」
...ところが不覚にも...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...不覚にも不意をくって...
吉川英治 「三国志」
...その足ですぐ彼が龍王山の陣地へ急いで行ったことは、不覚にも、日幡景親の手勢は気づかなかった...
吉川英治 「新書太閤記」
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