...身分不相応な働きぢやて……」と言つて...
薄田泣菫 「茶話」
...まず父の兼松には不相応なほど出来た婦人であった...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...先年身分不相応な大金を投じて家を建てた時...
谷崎潤一郎 「陰翳礼讃」
...その窓にはあたりに不相応なレイスカアテンのかけられてあるのを見た...
田山録弥 「モウタアの輪」
...その真価に不相応な地位を占めている...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...最初から不相応な重味とは見ていたのだが...
中里介山 「大菩薩峠」
...家に不相応な大きい仏壇は旧くすすけていて...
中谷宇吉郎 「『西遊記』の夢」
...真宗では仏壇に身分不相応な金を掛けるのが古例である...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...わずかばかりの俸給で身分不相応な体裁を張るのに...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...金銭に目が暮れて心を売つたり分不相応なことを仕出かしたりすれば...
牧野信一 「祖母の教訓」
...身分不相応な大熊手を買うて見た処で...
正岡子規 「熊手と提灯」
...それはわるいことでもないけれど余り言ふにも足らぬほどの旅行に不相応な送別の詩などを...
正岡子規 「病牀六尺」
...僭上は身分不相応な上わぞりをする義で古来この語あり...
南方熊楠 「十二支考」
...自分に不相応な未来を期待して...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...香木に不相応なる価を出さんとせらるるは...
森鴎外 「興津弥五右衛門の遺書(初稿)」
...(b)身に不相応なる重荷を頭にのせ...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...分不相応な野心に駆られ去ったとみゆる...
吉川英治 「私本太平記」
...身不相応な金などは持たせぬほうが当人のためだろう...
吉川英治 「新・水滸伝」
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