...大きさに不相応なる大型の金具及び把手(ハンドル)を備(そな)え居り...
海野十三 「鞄らしくない鞄」
...分不相応な税金を納めねばならぬことになりました...
相馬愛蔵、相馬黒光 「一商人として」
...まず父の兼松には不相応なほど出来た婦人であった...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...身分不相応な金を持っていることであった...
田中貢太郎 「風呂供養の話」
...原因と結果との間に不相応な不調和が存することが笑いの原因だとも云われるように...
戸坂潤 「思想としての文学」
...ほとんど不相応なものであった...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...最初から不相応な重味とは見ていたのだが...
中里介山 「大菩薩峠」
...時として身分不相応な装飾を施し...
中里介山 「大菩薩峠」
...家に不相応な大きい仏壇は旧くすすけていて...
中谷宇吉郎 「『西遊記』の夢」
...種は懐中にあるんだから」彼はこの種の人間としてはむしろ不相応なくらい横風(おうふう)な言葉でこんな事を云った...
夏目漱石 「明暗」
...身分不相応な贅(ぜい)で...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...それがほんとうなら、お祖父さんの世話をするという心配がなくなったわけで、このへんが、まともな職業につくチャンスだとも思われるのだが、身分不相応な、不時の収入に甘やかされてきた身で、いきなり、六千なにがしの給料だけで、生活してゆくことはむずかしい...
久生十蘭 「あなたも私も」
...これ以上不相応なことはない...
久生十蘭 「魔都」
...わずかばかりの俸給で身分不相応な体裁を張るのに...
久生十蘭 「我が家の楽園」
...――年をとりますと不相応な我ままが出まして...
宮本百合子 「伊太利亜の古陶」
...年不相応な金を遣っている」「不相応な金だって」「そうさ...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...この時の身分不相応な幸福そのものだったのであります...
夢野久作 「暗黒公使」
...分不相応な野心に駆られ去ったとみゆる...
吉川英治 「私本太平記」
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