...大きさに不相応なる大型の金具及び把手(ハンドル)を備(そな)え居り...
海野十三 「鞄らしくない鞄」
...その後の柱には、この家不相応な、大きな新しい時計が、午後三時を指している...
大下藤次郎 「白峰の麓」
...分不相応な税金を納めねばならないことになりました...
相馬愛蔵 「私の小売商道」
...彼の家不相応な大階子が壁土と共にその上に落ちて来た...
田中貢太郎 「死体の匂い」
...それが総(すべ)て身分不相応な事である...
ダウィット Jacob Julius David 森鴎外訳 「世界漫遊」
...重ければ、追放、軽くて、知行半減――首のつながるだけが、目っけものだが――知行が半分になっては、あの女には第一逢え無くなる)女狩は、自分に、不相応な、水茶屋の看板娘が、大作を討取ったという名に惚れて、好意を見せているのを、しみじみと考えた...
直木三十五 「三人の相馬大作」
...最初から不相応な重味とは見ていたのだが...
中里介山 「大菩薩峠」
...時として身分不相応な装飾を施し...
中里介山 「大菩薩峠」
...それに不相応なつまらない格式とを荷厄介にして居る青年の一人ですが...
野村胡堂 「悪魔の顔」
...身分不相応な大熊手を買うて見た処で...
正岡子規 「熊手と提灯」
...それはわるいことでもないけれど余り言ふにも足らぬほどの旅行に不相応な送別の詩などを...
正岡子規 「病牀六尺」
...僭上は身分不相応な上わぞりをする義で古来この語あり...
南方熊楠 「十二支考」
...自分に不相応な未来を期待して...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...貴殿が香木に大金を出す事不相応なりと思され候(そろ)は...
森鴎外 「興津弥五右衛門の遺書」
...これに不相応な高位を与え...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...アナタに差上るのならばドンナに身分不相応なものでも恥かしくないことが...
夢野久作 「父杉山茂丸を語る」
...その今ちゃんが身不相応な大尽遊びをやってしまった...
吉川英治 「紅梅の客」
...時節がら不相応な男振りをお作りでござりますが...
吉川英治 「新書太閤記」
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