...其人が自分の嫌ひな忠太と聞いて不満な様な心地もしてゐたのであるが...
石川啄木 「天鵞絨」
...私はその不満な為めにいろ/\にその解決方法を考へた...
伊藤野枝 「人間と云ふ意識」
...いずれも不満なもので...
高村光太郎 「回想録」
...それが兄にとって何よりも不満な点のようであった...
太宰治 「庭」
...読者は常に不満な焦躁を感ずる...
豊島与志雄 「現代小説展望」
...その感情の底にしみ込んでくる在るがままの不満な感じであった...
豊島与志雄 「田原氏の犯罪」
...皆不満なのだ、皆何かしら満たされない慾望に囚われているのだ...
豊島与志雄 「微笑」
...」「そしてその役人に不満なはずの行政官というのはだれです...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...最も不満なる者、最もいら立てる者、最も戦慄(せんりつ)を覚えてる者でさえ、皆それに対して頭を下げたのである...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...不満なものにも係らず訂正もしないで...
牧野信一 「「或る日の運動」の続き」
...芭蕉は必ず不満なるべし...
正岡子規 「古池の句の弁」
...才次は平生胸の中にもだもだしている不満な思いを兄にこそ洩らし栄(ばえ)がするように感じて...
正宗白鳥 「入江のほとり」
...またしても自分の不満な遅筆をとりまいて立つであろう...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...不満な諸点にかかわらず...
宮本百合子 「芸術家と国語」
...もう自分たちの不満な境遇を歎いている時ではなくなった...
柳田国男 「木綿以前の事」
...なにが不満なのかどれ一つとして元気よくはねてみせるやつはいなかった...
山本周五郎 「季節のない街」
...その他のことではたとい不満なことが多かろうとも...
横光利一 「旅愁」
...大不満なのである...
吉川英治 「新書太閤記」
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