...我輩不敏といへども奴等よりはまだ高潔な心をもつとる...
石川啄木 「我等の一團と彼」
...血をわけた実の兄弟とも思われぬくらいに不敏の弟なのですから...
太宰治 「新ハムレット」
...余が不敏を顧みずここに二...
寺田寅彦 「自然現象の予報」
...著者不敏と雖ども自ら僭して詩人と爲すの愚を學ぶものに非ず...
土井晩翠 「天地有情」
...不敏な吾々は今日に至ってもまだ紀平式ヘーゲル(?)歴史哲学の真諦を理解出来ないのが遺憾だが...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...篤麿不敏と雖も已むべきに非るを知ればなりと...
鳥谷部春汀 「明治人物月旦(抄)」
...不敏にしてまだまだ心腑に収め難いものが多くございます...
中里介山 「法然行伝」
...今さらおのれの不敏が省みられ...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...不敏な僕はその後へ何が出て来るのか...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...不敏にして私は知りません...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...不敏不才の身を以て財界に今日あるを得ました上...
野村胡堂 「笑う悪魔」
...不敏ならざる頭脳が...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...子供をだますようなことを言われなっ! 水戸が如何に時世に不敏なりとは申せ...
三好十郎 「斬られの仙太」
...しかしわたくしは不敏にしてこれを知らない...
森鴎外 「空車」
...「不敏の身で人がましい大役に奔走しているからでございましょう...
山本周五郎 「新潮記」
...「不敏ですから詳しいことはわかりませんが...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...むしろ己れの不敏に哀れを催します」と...
吉川英治 「三国志」
...「……まったく私の不敏です...
吉川英治 「三国志」
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