...我輩不敏といへども奴等よりはまだ高潔な心をもつとる...
石川啄木 「我等の一團と彼」
...僕不敏といえども貴兄の奮励に従い吾(わが)生のあらん限り事に従わんことを神かけて誓約可致(いたすべく)候...
伊藤左千夫 「師を失いたる吾々」
...卑怯ナル不敏ナル最後トナリシ者アリシニ付キカク明ラカニセリ...
伊藤野枝 「編輯室より(一九一三年六月号)」
...推理の誤謬(ごびゅう)や不備があればそれは不敏のいたすところである...
寺田寅彦 「比較言語学における統計的研究法の可能性について」
...不敏な吾々は今日に至ってもまだ紀平式ヘーゲル(?)歴史哲学の真諦を理解出来ないのが遺憾だが...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...不敏にして私は知らない...
豊島与志雄 「性格を求む」
...不敏にしてまだまだ心腑に収め難いものが多くございます...
中里介山 「法然行伝」
...今さらおのれの不敏が省みられ...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...不敏な僕はその後へ何が出て来るのか...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...不敏にして私は知りません...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...が、不敏なる私は、その時、猿猴栄次について、何ら識っているところがなかった...
正岡容 「艶色落語講談鑑賞」
...しかしわたくしは不敏にしてこれを知らない...
森鴎外 「空車」
...「不敏の身で人がましい大役に奔走しているからでございましょう...
山本周五郎 「新潮記」
...「不敏ですから詳しいことはわかりませんが...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...不敏(ふびん)といえども...
吉川英治 「三国志」
...むしろ己れの不敏に哀れを催します」と...
吉川英治 「三国志」
...「……まったく私の不敏です...
吉川英治 「三国志」
...彼の不敏は、魏にとって、取り返しがたい大不覚ともいえるものであった...
吉川英治 「三国志」
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