...僕不敏といえども貴兄の奮励に従い吾(わが)生のあらん限り事に従わんことを神かけて誓約可致(いたすべく)候...
伊藤左千夫 「師を失いたる吾々」
...不敏(ふびん)な私には...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...血をわけた実の兄弟とも思われぬくらいに不敏の弟なのですから...
太宰治 「新ハムレット」
...推理の誤謬(ごびゅう)や不備があればそれは不敏のいたすところである...
寺田寅彦 「比較言語学における統計的研究法の可能性について」
...不敏な吾々は今日に至ってもまだ紀平式ヘーゲル(?)歴史哲学の真諦を理解出来ないのが遺憾だが...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...不敏にして私は知らない...
豊島与志雄 「性格を求む」
...で、私も、これまで堪能(たんのう)の方々から、鈴慕を聞かせていただいたことは幾度かわかりません、聞かせるには聞かせていただきましたけれど、不敏な私には、どうしても今まで、掴(つか)むものが掴めない心持でおりました、それを今晩という今晩は……身にしみじみと思い当ることがございました」「おどかしちゃいけないぜ、弁信さん」ピグミーが、突然に頓狂な声でこう言いましたから弁信が、ハッとして、両手で自分の胸をおさえました...
中里介山 「大菩薩峠」
...不敏にしてまだまだ心腑に収め難いものが多くございます...
中里介山 「法然行伝」
...今さらおのれの不敏が省みられ...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...かたがた気は焦っても不敏独力の到底よくする所でない...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...不敏な僕はその後へ何が出て来るのか...
夏目漱石 「彼岸過迄」
...予の不敏いまだこれを明かにしない...
原勝郎 「東山時代における一縉紳の生活」
...が、不敏なる私は、その時、猿猴栄次について、何ら識っているところがなかった...
正岡容 「艶色落語講談鑑賞」
...不敏ならざる頭脳が...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...子供をだますようなことを言われなっ! 水戸が如何に時世に不敏なりとは申せ...
三好十郎 「斬られの仙太」
...しかしわたくしは不敏にしてこれを知らない...
森鴎外 「空車」
...「不敏の身で人がましい大役に奔走しているからでございましょう...
山本周五郎 「新潮記」
...彼の不敏は、魏にとって、取り返しがたい大不覚ともいえるものであった...
吉川英治 「三国志」
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