...それを彼等の門前に蝟集して利益のこぼれに預からむとする書生並に取扱つてゐやがるのは何と云ふ不心得だ...
阿部次郎 「三太郎の日記 第三」
...その不心得を説諭のうえ...
井上円了 「おばけの正体」
...科学を悪用する不心得者(ふこころえもの)の末路は...
海野十三 「鬼仏洞事件」
...どうも今迄は私が不心得だつた...
徳富蘇峰 「弟を葬る」
...先生のセロの勉強ぶりを拝見するという不心得なことをしたこともあった...
中谷宇吉郎 「続先生を囲る話」
...小野さんの不心得はそこまでは進んでおらぬ...
夏目漱石 「虞美人草」
...よく參禪者(さんぜんしや)の不心得(ふこゝろえ)を諷(ふう)せられます」と云(い)つた...
夏目漱石 「門」
...何んと言う不心得な――...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...内儀はすつかり氣が挫けて『私の不心得から繼子を育てなかつたので...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...武士としてあるまじき不心得の事があつた爲――と秋山伊織はいひます...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...變な宿に隱れてふざけて居るとは何んといふ不心得だ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...変な宿に隠れてふざけて居るとは何んという不心得だ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...孫三郎のやうな不心得者があつて...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...食物なぞの事をかれこれいうのは男子の本領でないとさもそれを自慢顔に唱える人もあるようですが随分不心得千万な事で...
村井弦斎 「食道楽」
...何の事もない愛嬌笑いにして見せると言う……おかげで蔵元屋の毎晩の上り高は大したものであろうが……これと申すもモトを質(ただ)せばお熊さんの両親の不心得から起ったことで...
夢野久作 「狂歌師赤猪口兵衛」
...そしてよく高山右近に不心得を諭(さと)してはどうだ」「それが出来ますものならば――いつでも参りたく思いますが...
吉川英治 「新書太閤記」
...そちまで不心得(ふこころえ)至極(しごく)な...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...よろこばしいことがあるぞ」「え?」唐突(とうとつ)なので、眼をしばたたいていると、性善坊は、はや口に、そこの土牢の中にいる若い僧こそ、寿童丸(じゅどうまる)であると告げて、「わし達は一足先に無動寺へ参っておるから、ゆるりと、旧主にお目にかかって、ようく、不心得を、諭(さと)してあげたがよい」といい残して、立ち去った...
吉川英治 「親鸞」
便利!手書き漢字入力検索