...そりゃ不当な侮蔑(ぶべつ)を受けているのよ...
池谷信三郎 「橋」
...余りに不当なる悪口というべきである...
内村鑑三 「ヨブ記講演」
...たしかに不当なる処置であった...
太宰治 「ろまん燈籠」
...初めてこの坊さんが頭の奥のロマンチックな気分と人間らしい弱点に対する同情心に動かされてダラシのない不当な行動を取つたように見えたのであつた...
G・K・チェスタートン G. K. Chesterton 村崎敏郎訳 「ブラウン神父の醜聞」
...尤もキルヒホフなどが力学をば現象を「完全に最も簡単な形式で記載する」ものと定義して力や作用の概念を排斥したことはこの法則の概念に不当な付加物をさし入れることとなるであろう...
戸坂潤 「カントと現代の科学」
...遊び好きな彼等にとって不当な侮辱と思われた...
中島敦 「光と風と夢」
...空の縄張が不当なら地面の私有も不合理ではないか...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...大人たちの不当な仕置きに腹を立てた...
長谷川時雨 「西川小りん」
...この差を両者の「気質」に求めることの不当なのは維新後その死にいたる二人についてみればよかろう...
服部之総 「福沢諭吉」
...簡単に「水夫たちがいかに不当な要求を...
葉山嘉樹 「海に生くる人々」
...「ぼくの考えによるとあの火夫さんに不当な扱いが加えられたんです...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「火夫」
...そういう不当な待遇にナポレオンがいつまでも屈従しているはずはない...
久生十蘭 「フランス伯N・B」
...それは啻に自分と子供とに不幸と依倚(いい)とを齎らすという不当な誘惑を受けているのみならず...
トマス・ロバト・マルサス Thomas Robert Malthus 吉田秀夫訳 「人口論」
...その臣下の財産の不当な簒奪者になることくらい...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...不当なこの処置に対して...
柳宗悦 「工藝の道」
...その原罪の不当な迫害という共通点を感じて...
山本周五郎 「青べか物語」
...さような不当な処置は絶対に承知ができない」「そう云われても...
山本周五郎 「山彦乙女」
...犬共は受けた虐待と不当な重荷のために憤慨していた...
ジャック・ロンドン Jack London 山本政喜訳 「荒野の呼び声」
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