...不完全なるところあるを免かれずと雖も...
高木敏雄 「比較神話学」
...(1)も(2)も不完全な答えでありますが(3)だけは俳句の存在する限り動かすことのできない明確な正当な答えであります...
高浜虚子 「俳句とはどんなものか」
...しかし今のところでは発声器械の不完全なために生ずるいろいろな雑音が邪魔になるので...
寺田寅彦 「耳と目」
...飲食店や店頭にある拡声器が不完全なためにそういう事になるので...
寺田寅彦 「路傍の草」
...内務省的な形だけから云えば極めて不完全な仕方に於てではあるが...
戸坂潤 「現代日本の思想対立」
...いつも不完全な未熟な知識のことをしか意味しない...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...あとは常識というものが不完全ながらも一応相当甘くやって行けるかも知れない...
戸坂潤 「日本イデオロギー論」
...多少とも不完全な器官にすぎない...
豊島与志雄 「現代小説展望」
...多くの現代人が享楽的な道徳を奉じ一時的な不完全な物質的事物をのみ念頭にしている中にあって...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...此の不完全な住居を永續させるつもりであらう...
永井荷風 「新歸朝者日記」
...人間の知恵は不完全なものだ...
永井隆 「この子を残して」
...人は被造物であり不完全なるものである...
永井隆 「ロザリオの鎖」
...不完全ながら自分の考えだけは述べておきましたから...
夏目漱石 「文芸の哲学的基礎」
...わざと不完全な湿布をやりながら...
浜尾四郎 「途上の犯人」
...反對にあまりにはやく不完全なオーソドックスを定立することこそ避くべきことであると私は思うのだ...
平林初之輔 「政治的價値と藝術的價値 マルクス主義文學理論の再吟味」
...今考へて見ると不完全な句である...
正岡子規 「病牀六尺」
...あの数ばかり多くて不完全な交友関係においてはどうしても守らねばならない・あの屈従的な・また疑いぶかい・用心をするのが...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...不完全なままに謬(あやま)りのない世界に受取られることをいうのである...
柳宗悦 「民藝四十年」
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