...はなはだ偏した不完全な進化論となるという考えであった...
井上哲次郎 「明治哲学界の回顧」
...幼稚で不完全な医療の実施は古代にゆっくりと進歩し...
ジェイムズ・サンヅ・エリオット James Sands Elliott 水上茂樹訳 「ギリシャおよびローマ医学の概観」
...私がこれまで自分の顔と言い慣れてきたあの不完全などっちともつかぬ顔よりも...
スティーヴンスン Stevenson Robert Louis 佐々木直次郎訳 「ジーキル博士とハイド氏の怪事件」
...不完全な私どもの言葉では...
高神覚昇 「般若心経講義」
...学説を学ぶものにとってもそれの完全の程度を批判し不完全な点を認識するは...
寺田寅彦 「相対性原理側面観」
...電車の不完全な救助網や不潔な腰掛け...
寺田寅彦 「一つの思考実験」
...田舎の不完全な石油発動汽車が遅着したために...
豊島与志雄 「道連」
...これに反して地上的なもの(つまり凡ての現実)は不完全なもの...
中井正一 「現代美学の危機と映画理論」
...そんなに不完全なものですかと訊いてみようとしてそこに気のついた津田は...
夏目漱石 「明暗」
...そこで遺憾ながら今度の犯罪も不完全なものとなったのだよ...
浜尾四郎 「殺人迷路」
...触感も至って不完全なもので...
平井金三 「大きな怪物」
...盲目的(まうもくてき)な不完全な氣持ではあつても...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...こんな不完全な幻想第四次の銀河鉄道なんか...
宮沢賢治 「銀河鉄道の夜」
...我々ばかりが不完全な貧弱な状態の下に産み出され...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...いわゆるオカシ文学の不完全なる発育に過ぎなかったと見てよいのである...
柳田国男 「雪国の春」
...まことに普遍的な正義と真理の存在することと、それに向かって人間が不断に向上することを、否定することはできないが、現実の人間、とりわけ政治的人間が住んでいる世界は、もっと低く、もっと不完全な、もっと相対的な世界であることを忘れてはならぬ...
矢部貞治 「政治学入門」
...完全な制度と不完全な制度...
矢部貞治 「政治学入門」
...種々の点に於て彼は其修業の不完全なりしことを嗤笑(しせう)さるゝなるべし...
山路愛山 「明治文学史」
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