...六百人の人間が皆、裸で、上甲板一杯に、並んでゐるのですから...
芥川龍之介 「猿」
...上甲板の連中は勿論下へは一足でもはいれません...
芥川龍之介 「猿」
...上甲板に出るのは禁じられていたけれど...
梅崎春生 「狂い凧」
...提督は起きるとすぐ最上甲板の「鋼鉄の宮殿」をすっかりあけはなち...
海野十三 「浮かぶ飛行島」
...本船の上甲板(じょうかんぱん)のもう一段上にある操縦室につなぎかえた...
海野十三 「海底大陸」
...大胆にも鯨(くじら)の背のような上甲板(じょうかんぱん)を海上に現わしながら勇しく進撃してゆくのであった...
海野十三 「空襲葬送曲」
...その上甲板では、普段なら野球が二組ぐらゐ充分出來るくらゐの廣さのものであつた...
海野十三(佐野昌一) 「南太平洋科學風土記」
...上甲板(じょうかんぱん)に出て...
江戸川乱歩 「海底の魔術師」
...叱られて船長室を飛び出した茂太郎、上甲板の方で、早くもその即興の出鱈目(でたらめ)歌が聞えます――お饅頭をこしらえる人とそれを盗む人せっかく、殿様が新しい国をこしらえても汗水を流して働く人と寝ていてお饅頭を食べる人とがあってはなんにもなりますまい駒井甚三郎は船を作り田山白雲は絵をうつし裏宿の七兵衛は耕しお松様は教育をやり金椎君は料理をし治郎作さん父子は船頭をし乳母(ばあや)はお守をし登様は育ち清澄の茂太郎は歌うそれだのに兵部の娘もゆるさんは病気でもないのに寝て旨(うま)いものを食べていますそれはマドロス君が持って行ってやるからですお饅頭(まんじゅう)の掠奪はパンの搾取ということにはなりませんかいい着物を着たり旨い物を食べたりするためにみんなが気を揃えて働くのはいいことだが旨い物を食べるために盗んだり誘惑したりするのはそれはよくないとあたいは考えますお嬢さんとマドロス君とがこの船の中での賊でないと誰が言いますドンチャドチ、ドチドンチンカンノチマガロクスンキクライ、キクライキウスチーカ、ロンドンパツカ、ロンドン足踏み面白く、上甲板でダンスをはじめ出したのがよくわかります...
中里介山 「大菩薩峠」
...二等の客が上甲板から飛下りようとして船員にはばまれていた...
長谷健 「天草の春」
...私はそっと上甲板に出ると...
林芙美子 「放浪記(初出)」
...皆様が上甲板(ウエル)でお待ちかねです...
久生十蘭 「キャラコさん」
...二人が上甲板へあがってゆくと...
久生十蘭 「キャラコさん」
...(12)船首から船尾にいたるまですっかり平坦(へいたん)に張られた上甲板...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「メールストロムの旋渦」
...今のピストルを二挺持って上甲板(じょうかんぱん)に駈(か)け上る...
夢野久作 「難船小僧」
...我勝ちに上甲板や下甲板の舷(ふなべり)へ雪崩(なだれ)かかって来た...
夢野久作 「爆弾太平記」
...彼等は上甲板で終ると...
吉江喬松 「山岳美觀」
...上甲板の醜い喧噪(けんそう)は...
吉川英治 「かんかん虫は唄う」
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