...爾来(じらい)僕は茂吉と共におたまじやくしの命を愛し、浅茅の原のそよぎを愛し、青山墓地を愛し、三宅坂を愛し、午後の電燈の光を愛し、女の手の甲の静脈を愛した...
芥川龍之介 「僻見」
...あすこを直角に曲ると三宅坂まで...
石川欣一 「山を思う」
...自分の仕事場の三宅坂の水揚ポンプの傍に...
竹久夢二 「日輪草」
...三宅坂へ少しでも早く帰るようにしました...
竹久夢二 「日輪草」
...三宅坂の日輪草にも...
竹久夢二 「日輪草」
...三宅坂(みやけざか)辺(へん)を一と周りして日比谷(ひびや)映画劇場へ着けた...
谷崎潤一郎 「細雪」
...三宅坂で下りべき處を下りそこなつたから...
永井荷風 「新歸朝者日記」
...三宅坂へ戻って麹町の大通りへ廻り牛込のはずれの家へついたのは夜半過であった...
永井荷風 「花火」
...三宅坂(みやけざか)の停留場は何の混雑もなく過ぎて...
永井荷風 「深川の唄」
...井戸は江戸時代にあつては三宅坂側(みやけざかそば)の桜(さくら)ヶ井(ゐ)も清水谷(しみづだに)の柳(やなぎ)の井(ゐ)...
永井荷風 「水 附渡船」
...猛烈な勢いで三宅坂をのぼった...
久生十蘭 「あなたも私も」
...皇帝が昏倒されると襟髪を掴んで玄関まで引摺って行き、門柱の傍へ凭らせて置いて扉の電鈴装置を以前のように直し、皇帝を肩に担いで山王下へ降り、乗って来たロード・スターに皇帝の身体を隠し、四時四十分、赤坂見附、四時四十三分、三宅坂、四時四十五分には桜田門の警戒哨を通過し、警視庁附近まで来たところでいずれかへ姿を晦ましてしまいました」総監は頷いて、「成程、よく判った...
久生十蘭 「魔都」
...三宅坂大本営前に提灯明るし...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...あれはきっと三宅坂(みやけざか)と赤坂見附との間ぐらいの見当になるだろう...
堀辰雄 「花を持てる女」
...三宅坂でいくら待つてゐてもバスが來ないし...
堀辰雄 「春淺き日に」
...三宅坂を下りて、参謀本部(旧陸軍の中央統帥機関)の下まで来たとき、彼はふと警視庁にいる小西(こにし)警部のことを思い出した...
森下雨村 「五階の窓」
...プロペラーのように幌を鳴らしながら三宅坂を駈け上った...
夢野久作 「暗黒公使」
...三宅坂の松平信明(まつだいらのぶあき)の屋敷を訪れたが...
吉川英治 「牢獄の花嫁」
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