...お三婆(ばば)という...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...「何だねえ、丑さんも、為さんも、こんなおうつくしい女をさっきのような、野太い声で、おどかしたりしてさ」と、お三婆さんは、妙にねばっこい調子で、気褄(きづま)を取るようにいって、「なあに、お前さん、この人達は、見かけこそ荒っぽいが、気立はなかなかやさしい方でね――ひ、ひ、ひ、やさしいというよりのろい方でね、ひ、ひ、ひ」「のろいッて――人を!」と、丑が、苦ッぽく笑って、「婆さん、べらべらしゃべっていずと、一本つけな」「あいよ、わかったよ、ねえさんだって、寒いわな...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...ぐびりぐびりやっていたお三婆(ばば)――ニヤリとして...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...不向きな相手だ」二〇――島抜けの――と、お三婆は、呼びかけた...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...お三婆の宿の近くまで来たので...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...眉をひそめるお三婆...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...だから、呑まねえ」「へえ、そりゃあ又――」と、お三婆は、持った銚子で、自分の杯に充(みた)して、「じゃあ、あたしは手酌でいただくがね――それはそれとして、法印さん、このお三婆のことは、あの奴等をあつかうようにはなさるまいね?」「あの奴等をあつかうようにとは?」「丑や、為は、屋外(そと)へ、うっちゃられたが?」「だって、あいつ等あ、雲助じゃあねえか? おめえは、この宿屋の主人だ――どうして、おれが、あんなことをするはずがあるものか?」「まあ、うれしい!」と、お三、とん狂な調子で、叫んで、「それでこそ、さすが立派なお人だというものだよ...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...お三婆は、ぐっと、顔を突き出すようにして、「ねえ、法印さん、この婆さんを、忘れちゃあいけませんよ――なるほど、あの雲助たちが、かつぎ込んで来て、おッぱらわれたには、相違ないが、この宿の家の中での出来ごとなのだからね――それだけは、忘れずにおくんなさいよ」「何をいっておるのやら、わしには、よくわからぬが――」と、モゾリと、法印がいう...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...面倒見てやろうと思うばかり――」二三お三婆は...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...図太いお三婆だか...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...天一坊はお三婆殺しと横田川巡礼殺しとを出し...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...其天一坊に殺されるお三婆は誰に持つて行つても引き受けぬ役であつた...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...しかしお三婆だけは御免を蒙る...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...お三婆の役がこんなに一同に嫌はれたのは...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...お三婆は己が引き受けよう...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...譬へばお三婆を殺す時に用ゐるまるたなどである...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...洛中の三婆娑羅(ばさら)といわれていた男だけに...
吉川英治 「私本太平記」
...名だたる三婆娑羅の一人といわれるだけあってさすが太々(ふてぶて)しく...
吉川英治 「私本太平記」
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