...三味線の音が虱(しらみ)のようにむず痒(かゆ)く刺している...
芥川龍之介 「ひょっとこ」
...かげへかげへとまわってゆく三味線の音(ね)につれて...
芥川龍之介 「老年」
...どうぞ三味線の音(ね)をさしておくれ...
泉鏡花 「歌行燈」
...三味線の音も聽えた...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...料理店からは陽気な三味線の音がにぎやかに聞こえた...
田山花袋 「田舎教師」
...路地裏の夜は宵の中より寂寞として犬の声三味線の音も聞えず...
永井荷風 「断腸亭日乗」
...過ぎし世の町に降る雪には必ず三味線の音色が伝へるやうな哀愁と哀憐とが感じられた...
永井荷風 「雪の日」
...その三味線の音色には聞き惚(ほ)れているらしい...
中里介山 「大菩薩峠」
...どこかで弾(ひ)く三味線の音(ね)が聞える...
夏目漱石 「草枕」
...三味線の音(ね)が雨を隔てて爽(さわや)かに聞え出した...
夏目漱石 「行人」
...一番仕舞(しまい)の一枚で三味線の音(ね)がプッツリ止(や)んだ...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...園の引く三味線の音が新吉達の離室までしんしんと響いて来た...
牧野信一 「淡雪」
...三味線の音も遥かの遠音(とおね)を聞けばこそ面白けれ...
正岡子規 「病牀六尺」
...「蛙(かえる)が鳴いたから帰えろ帰えろ」と子供の声も黄昏(たそが)れて水底(みなそこ)のように初秋の夕霧が流れ渡る町々にチラチラと灯(ともしび)がともるとどこかで三味線の音が微(かす)かに聞え出した...
水上滝太郎 「山の手の子」
...二階にしていた三味線の音(ね)が止まって...
森鴎外 「雁」
...三味線の音に騷がしい笑聲が交つて聞える...
森林太郎 「身上話」
...三味線の音がきこえて来たりする...
山之口貘 「池袋の店」
...唄や三味線の音が...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
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