...書肆(ほんやの)文求堂をもうちっと富坂寄(とみざかより)の大道へ出した露店(ほしみせ)の、いかがわしい道具に交ぜて、ばらばら古本がある中の、表紙の除(と)れた、けばの立った、端摺(はしずれ)の甚(ひど)い、三世相を開けて、燻(くす)ぼったカンテラの燈(あかり)で見ている男は、これは、早瀬主税である...
泉鏡花 「婦系図」
...露店の三世相を繰るとなると...
泉鏡花 「婦系図」
...」「ええ、別に、」と俯向(うつむ)いて怨めしそうに、三世相を揉み、且つ捻(ひね)くる...
泉鏡花 「婦系図」
...主税は懐中(ふところ)の三世相とともに胸に支(つか)えて俯向(うつむ)いた...
泉鏡花 「婦系図」
...「三世相を見ておりましたのは...
泉鏡花 「婦系図」
...第一に手に触れた「三世相」――部厚に於ては群を抜いているけれども...
中里介山 「大菩薩峠」
...次の大判の唐本仕立てなるを取って見ると「周易経伝(しゅうえきけいでん)」――お銀様は「三世相」の余憤を以て...
中里介山 「大菩薩峠」
...手を延ばして年寄が三世相(さんぜそう)を見るようにしたり...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...火難盗難慎(つつし)むべし――と三世相に書いてある」「無駄は止(よ)せ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...火難盜難愼(つゝ)しむべし――と三世相に書いてある」「無駄は止せ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...鎌(かま)の未申(ひつじさる)――なんてえのは三世相にもないよ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...三世相大雜書を押し退けると...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...三世相大雜書(さんぜさうだいざつしよ)を讀んで居りました...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...(四月二十日)前日記したる御籤(みくじ)の文句につき或人より『三世相』の中にある「元三大師(がんざんだいし)御鬮(みくじ)鈔(しょう)」の解なりとて全文を写して送られたり...
正岡子規 「墨汁一滴」
......
三好十郎 「捨吉」
...一つは『三世相(さんぜそう)』といういわば昔の百科全書で...
柳田国男 「故郷七十年」
...江戸期も末になるまでの三世相とか女大学とかの家庭用書の口絵には...
柳田国男 「木綿以前の事」
...三世相(ぜそう)に書いてあるような奴だ...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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