...「別れの時」の感情はあらゆる眞正の進歩と革命とに缺く可らざる主觀的反映の一面である...
阿部次郎 「三太郎の日記 第一」
...従って一面では栄養臓器であり...
ジェイムズ・サンヅ・エリオット James Sands Elliott 水上茂樹訳 「ギリシャおよびローマ医学の概観」
...彼らのこういう生活の展開は、一面では、封建制度や武士の権力の下において行われたのであるが、他面では、この制度や権力が彼らの生活をおさえつけ彼らの力を伸ばさせないようにするはたらきをもっていたので、彼ら民衆のはたらきはおのずからそれらに反抗する精神をもつことになった...
津田左右吉 「日本歴史の特性」
...芸術家の描こうとするものはもっと複雑な「ある物」の一面であって草木山河はこれを表わす言葉である...
寺田寅彦 「科学者と芸術家」
...だがその直接態は要するに事物の一面であって具体的でないと云うのである...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...一面ではまた『大きな駄々(だだ)ッ子(こ)坊や』でもあった...
萩原朔太郎 「小泉八雲の家庭生活」
...彼の不思議の芸術の一面であつた...
萩原朔太郎 「月に吠える」
...そのうちのこれは一面です...
長谷川時雨 「朱絃舎浜子」
...一面では、彼女が来なければと思った...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...またそれを我々が照らしてをらぬ生の一面であります...
ライネル・マリア・リルケ Rainer Maria Rilke 堀辰雄訳 「ドゥイノ悲歌」
...それは一面で、一方には物集高見の文章を読んでも感じられる事だが、口語体の文章を書くといふ事と、口語をそのまま文字に移すといふ事との間に、一つ重要な差別のある事が、まだ実験ずみになつてゐなかつた時代なので、自分の意見に従つて文章を書いて見ると、無駄が多く、だら/\と長く、まどろつこしく、いかにも「文章になつてゐない」――つまり読んで見て、心持がすつきりと通らないのを自分でもよく感じる、といふ自家撞着に堕ちたといふ点も考へられる...
水野葉舟 「言文一致」
...鴎外が歴史というものを扱った態度の正当な一面であったと思う...
宮本百合子 「鴎外・芥川・菊池の歴史小説」
...綺談等からうけ荒唐無稽的となり文学の一面で当時の卑俗さと結びついています...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...これはレセプチイフの一面である...
森鴎外 「なかじきり」
...しかし一面では大いに不服なのである...
柳宗悦 「民藝四十年」
...それは一面では真理であるらしい...
山本周五郎 「陽気な客」
...御自身は権力すらも実はそんなに欲しがっておられなかったと思われまする」問「だのになぜ一面では...
吉川英治 「私本太平記」
...だから一面では、相変らず烈しい猛断と攻撃は敵にそそがれつつあった...
吉川英治 「新書太閤記」
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