...一面では大いに疑っていたんですネ」「そりゃそうだ...
海野十三 「赤外線男」
...桜や櫟(くぬぎ)の林が一面で...
高村光太郎 「回想録」
...まずこれが彼の性格の一面で...
ドイル Arthur Conan Doyle 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...それが常識の有つ一面である...
戸坂潤 「空間概念の分析」
...然るに又一面で、孟子の如きは、「予れ豈辯を好まんや」と言つてゐる...
内藤湖南 「章學誠の史學」
...血潮は一面ですが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...火夫にとっては、いうべきことはみんないってしまったのに、少しもそれをみとめてはもらえないように思えるし、また一面では、まだ何もいっていないのだが、さらにすべてのことを聞いてくれと今は求めることができないように思えてもいるのだ...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「火夫」
...もちろん一面では...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...固よりかくの如き乖離は兩者の關係の一面である...
三木清 「歴史哲學」
...それは一面で、一方には物集高見の文章を読んでも感じられる事だが、口語体の文章を書くといふ事と、口語をそのまま文字に移すといふ事との間に、一つ重要な差別のある事が、まだ実験ずみになつてゐなかつた時代なので、自分の意見に従つて文章を書いて見ると、無駄が多く、だら/\と長く、まどろつこしく、いかにも「文章になつてゐない」――つまり読んで見て、心持がすつきりと通らないのを自分でもよく感じる、といふ自家撞着に堕ちたといふ点も考へられる...
水野葉舟 「言文一致」
...しかも一面では、自分がとかく云われる言葉を感情的にうけること、それを全体とのつり合いの上で感じず、局部的なものを全部的にうけること...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...綺談等からうけ荒唐無稽的となり文学の一面で当時の卑俗さと結びついています...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...うかとして人に見られる隙(すき)のあるような人でない斎宮の女御を源氏は一面では敬意の払われる養女であると思って満足しているのであった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...是がわたくしの敢て試みた叙法の一面である...
森鴎外 「伊沢蘭軒」
...性懲もなくすぐ忘れてしまふのがこの國の者の明るい一面でもあつた...
吉川英治 「折々の記」
...一面では赤松勢に山陽道ののどくびをしめられたまま...
吉川英治 「私本太平記」
...まだか」「まだ播磨(はりま)への御発向にはいたらぬのか」と一面では...
吉川英治 「私本太平記」
...だから一面では、相変らず烈しい猛断と攻撃は敵にそそがれつつあった...
吉川英治 「新書太閤記」
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