...これも真理の一面である...
田山録弥 「雨の日に」
...彼らのこういう生活の展開は、一面では、封建制度や武士の権力の下において行われたのであるが、他面では、この制度や権力が彼らの生活をおさえつけ彼らの力を伸ばさせないようにするはたらきをもっていたので、彼ら民衆のはたらきはおのずからそれらに反抗する精神をもつことになった...
津田左右吉 「日本歴史の特性」
...これに反して否定的な一面では...
戸坂潤 「現代哲学講話」
...だがその直接態は要するに事物の一面であって具体的でないと云うのである...
戸坂潤 「現代唯物論講話」
...然るに又一面で、孟子の如きは、「予れ豈辯を好まんや」と言つてゐる...
内藤湖南 「章學誠の史學」
...窮屈に肩を張つてる一面である...
萩原朔太郎 「室生犀星に就いて」
...そのうちのこれは一面です...
長谷川時雨 「朱絃舎浜子」
...火夫にとっては、いうべきことはみんないってしまったのに、少しもそれをみとめてはもらえないように思えるし、また一面では、まだ何もいっていないのだが、さらにすべてのことを聞いてくれと今は求めることができないように思えてもいるのだ...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「火夫」
...しかし人生の一面である以上それから逃れるわけにもゆかないのである...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...シャマシュはマルヅックの神性の一面であるから...
穂積陳重 「法窓夜話」
...シャマシュがマルヅックの神性の一面であるということは...
穂積陳重 「法窓夜話」
...それは一面で、一方には物集高見の文章を読んでも感じられる事だが、口語体の文章を書くといふ事と、口語をそのまま文字に移すといふ事との間に、一つ重要な差別のある事が、まだ実験ずみになつてゐなかつた時代なので、自分の意見に従つて文章を書いて見ると、無駄が多く、だら/\と長く、まどろつこしく、いかにも「文章になつてゐない」――つまり読んで見て、心持がすつきりと通らないのを自分でもよく感じる、といふ自家撞着に堕ちたといふ点も考へられる...
水野葉舟 「言文一致」
...けれどもその軽蔑にもかかわらず、他の一面では、彼の名づける小豚派文学の、発生の社会的起源について、否定しきれないものをもっている...
宮本百合子 「現代文学の広場」
...一面でこのような気分...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...うかとして人に見られる隙(すき)のあるような人でない斎宮の女御を源氏は一面では敬意の払われる養女であると思って満足しているのであった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...一面では哀れなことに予期もせず触れた気もした...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...一面では自分の意志を師直に代行させて...
吉川英治 「私本太平記」
...秦漢の篆隷(てんれい)に還(かへ)らうとする運動を繰り返したのが中国書道史のたしかな一面であることを...
吉野秀雄 「秋艸道人の書について」
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