...彼は多くの群像の中で一際目立っていた...
...和蘭辞典は、江戸時代に開かれたオランダ商館の一際重要な書物であった...
...それに服装の立派なのが一際品格を上げて...
石川啄木 「天鵞絨」
...一際色が冴(さ)えました...
泉鏡花 「海神別荘」
...鉄道線路の土手のすぐ側(そば)の一際(ひときわ)深い叢の中から...
江戸川乱歩 「鬼」
...それが一際(ひときわ)私のオフィス勤めを味気(あじき)ないものにしたのだった...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...さぞお喜びでございましょう」と一際丁寧に...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...狭い額のあたりが一際黒くて...
豊島与志雄 「阿亀」
...一際輝いてるもの...
豊島与志雄 「川端柳」
...やがて一際はげしく...
豊島与志雄 「食慾」
...西日が燃える焔のように狭い家中(いえじゅう)へ差込んで来る時分(じぶん)になると鳴きしきる蝉(せみ)の声が一際(ひときわ)耳立(みみだ)って急(せわ)しく聞える...
永井荷風 「すみだ川」
...舌の先を動かすのが一際(ひときわ)愛くるしく見られた...
永井荷風 「つゆのあとさき」
...ナポリの都はヴェズウブ火山の烟(けむり)あるがために一際(ひときわ)旅するものの心に記憶されるのではないか...
永井荷風 「日和下駄」
...また一際(ひときわ)納まった時...
中里介山 「大菩薩峠」
...道は一際ひどい泥濘で...
長塚節 「利根川の一夜」
...向うの埒の内に立つて居る主婦さんは一際つゝましげに見える...
長塚節 「菜の花」
...野の明るさの中では一際(ひときわ)まばゆいような眼鼻立(めはなだち)を見せていて...
室生犀星 「姫たちばな」
...殊に一際目立って華手な...
横光利一 「旅愁」
...あんなに沢山星のあるなかで一際赤く光っている...
蘭郁二郎 「火星の魔術師」
...私はこれより心のムシヤクシヤするのを追払らふ積りで一際精神籠(こ)めて働らき...
若松賤子 「黄金機会」
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