...愛憎のすべてをただ一色に染めなして...
有島武郎 「或る女」
...唯見る目覚む一色に...
上里春生 「サガニー耕地より」
...日本全体を赤色にしろ白色にしろただの一色に塗りつぶそうという努力は結局無効に終わるであろうと思われる...
寺田寅彦 「カメラをさげて」
...彼女は一色に小ッぴどくやっつけられて...
徳田秋声 「仮装人物」
...ただ一色に塗りつぶされる...
豊島与志雄 「性格を求む」
...空はもうまったく灰鼠の一色になって...
中村清太郎 「ある偃松の独白」
...その特種なる国民的趣味を代表する表紙の一色によつて...
萩原朔太郎 「装幀の意義」
...見るかぎり白一色に結晶し...
久生十蘭 「南極記」
...多田君はもう何もかも白つぽい一色に見え出した...
北條民雄 「戯画」
...眼のさき六七間の眼界を残したまま地上はただ乳白の一色に塗り潰されてしまふ...
北條民雄 「青春の天刑病者達」
...崩れた防風林の誇りかな歌の間に失われた自由の嶺は鋭く身を反らそうとする!)褐色の急潮が鳥のようにきらめく紫色の翼をあげて黒い漁船の列りを載せた端正な海の横顔をはたとうつとめくるめく光焔を青い鉱床に転がしながら太陽な天空の剥片をめぐりながら一色に塗り潰された宇宙の片麻岩の岩壁のすきまえ沈んで行く二つの空は明るい暗の中に溶けこみ黒い海狼と共に...
槇村浩 「青春」
...各季節のお祭は,それぞれ個有の色がきまっていて,その日が近づくと,街の商店やショーウインドウは,その色一色に飾られます...
間所紗織 「“青い顔”」
...江戸の将軍家への進物(しんもつ)十一色に比べるとはるかに略儀(りゃくぎ)になっている...
森鴎外 「佐橋甚五郎」
...みな一色に薄あかるくなっている...
吉川英治 「江戸三国志」
...尾花の銀鼠(ぎんねず)いろの一色にぼかされている...
吉川英治 「江戸三国志」
...四方の山も一色に黒ずみだして...
吉川英治 「江戸三国志」
...中山服一色にしてしまふやうな政治力なり社會道義をもつとすれば...
吉川英治 「折々の記」
...忽ち附近はこの怒濤(どとう)一色に塗りつぶされていた...
吉川英治 「新書太閤記」
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