...そのひとが一朝にして消え失せてしまうのです...
モオパッサン 秋田滋訳 「墓」
...嘗て、戟を横へて、洛陽に源氏の白旄軍を破れる往年の髭男も、一朝にして、紅顔涅歯、徒に巾幗の姿を弄ぶ三月雛となり了ンぬ...
芥川龍之介 「木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)」
...知識は一朝にして学び得るものではあっても...
石原純 「日本文化と科学的思想」
...お邸の旦那様が一朝にして下掃除人(しもそうじにん)の地借(じがり)或は店借(たながり)となって了う...
内田魯庵 「駆逐されんとする文人」
...ヨブが神を忘れ道に悖りしためその繁栄一朝にして失せたのであると主張したのである...
内村鑑三 「ヨブ記講演」
...多年の信用を一朝にして失い...
相馬愛蔵、相馬黒光 「一商人として」
...年来の恩ある神戸教会の恩人を一朝にして捨て去ったりするような男ですけえ...
田山花袋 「蒲団」
...一朝にして確立されるはずはない...
中谷宇吉郎 「捨てる文化」
...さしもの大家を一朝にして亡(ほろ)ぼしてしまいました...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...一朝にしてかような取扱いを受けるのかと...
久生十蘭 「鈴木主水」
...東照神君三百年の遺業は一朝にして棄(す)つべからず...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...昨日まで帝王の如く君臨してゐた思想體系が一朝にして權威を失墜する...
三木清 「唯物史観と現代の意識」
...一朝にして小生を欺きしもののやう風聞致し候へども...
アルツウル・シユニツツレル Arthur Schnitzler 森林太郎訳 「アンドレアス・タアマイエルが遺書」
...一朝にして生れた仕事でないのを想わせます...
柳宗悦 「手仕事の日本」
...死後一朝にして覆るような甲州であったら...
吉川英治 「上杉謙信」
...もし、このお城が、一朝にして、灰になったらどうだ...
吉川英治 「新書太閤記」
...きのうまでは、良人は戦場に在り、自分たちは国内にある、という観念でいたのが、一朝にして、そのけじめもなく、居る所いずこも戦場と化したのである...
吉川英治 「新書太閤記」
...この城、この国、一朝にして、資本(もと)も子も失(な)くすことになる」望楼を歩きながら阿波守、しきりに苦念の様子である...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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