...一方ならず残念に思召したのでございましょう...
芥川龍之介 「邪宗門」
...一方ならず派手なズボンつりが群衆の特別な注意を惹いた...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...苦々しさ一方ならず...
泉鏡花 「婦系図」
...自分に一方ならず思ひを寄せて...
伊藤左千夫 「古代之少女」
...今日は必ず民子に逢われることと一方ならず楽しみにして帰って来たのに...
伊藤左千夫 「野菊の墓」
...一方ならず心を痛められたが...
江見水蔭 「怪異黒姫おろし」
...一方ならず興味を惹かれた...
相馬愛蔵、相馬黒光 「一商人として」
...一方ならず吃驚(びっくり)してあわてながら...
――モウパンサン―― 辻潤訳 「頸飾り」
...折から不元気で居た妻を一方ならず助けて往った...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...道庵が買って出てもいい役だ」道庵が一方ならず力瘤(ちからこぶ)を入れましたが...
中里介山 「大菩薩峠」
...「おや!」お雪は一方ならずあわてました...
中里介山 「大菩薩峠」
...今の世間は一方ならず騒がしい世間ではございませんか」「騒がしいよ」と米友が言下にうなずきました...
中里介山 「大菩薩峠」
...人心が一方ならず騒いでいるものと察せらる...
シモン・ニューコム 黒岩涙香訳 「暗黒星」
...一方ならず宗祇に手数をかけている...
原勝郎 「東山時代における一縉紳の生活」
...これは兼て肉体を一方ならず重んずる作者に新たに一の例証を与へた経験でもある...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...子への不安は一方ならず...
牧野信一 「淡雪」
...これのみならず明孝以下明光明徳教育上につきしかも一方ならず御配慮下されたることと...
武者金吉 「地震なまず」
...空坪此地の景勝を巡りて賞翫する事一方ならず...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
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